構成的グループエンカウンターについては時間をかけてじっくり考えてきたので、うまく文章にまとめることができなかったがもう妥協しよう・・・。
疲れた![]()
【構成的グループエンカウンターの一長一短について】
構成的グループエンカウンター(以下エンカウンターと省略)はビデオによる映像補助が以前より少なかったこともあり、本質をつかむのに苦労した。エンカウンターを効果的に使うためには、導入するタイミング、クラス状況、教師と子どもたちとの信頼関係など様々な条件をクリアしておく必要があるはずだ。しかし、授業で取り上げられたビデオを見る限り技法の細かい点についての議論が中心で、子どもたちの視点から考えている場面が少ないように感じられた。
エンカウンターというと新しい実践技法のように聞こえるが、現場では同様のアクティビティは行われてきた。大きく異なるのは枠を与えたりして、細かい取り決めがあり、マニュアル化されていることだろう。マニュアル化には良い点と悪い点がある。だから、一概にマニュアル化されているからといって悪いとは言い切れない。新任教師にとってマニュアルは指導の手助けとなる。それを真似たり、取り入れたりすることで、本来の指導力ではできなかったであろうことを成し遂げることがあるからだ。武道に守破離という重要な教えがあるように、エンカウンターという1つの型を守り、生徒の相互交流を深める機会を作るのは有効だろう。
しかし、マニュアル化されただけの授業(教科書に振り回されている授業)に効果がないのと同じく、マニュアルに囚われ過ぎている教師の行うエンカウンターにも効果がない。それでは、マニュアルを覚えるだけになってしまい、個々の子どもに合わせて対応ができないからだ。この講義では、エンカウンターがさも万能であるかのように紹介されていたが、それは間違っていると思う。マニュアル化が行き過ぎた場合の危険性は、講義のビデオにあった岡田弘と現場の中学校教師達との授業後の研究会での質疑応答に端的に現れている。音楽、使用する言葉の数、ワークシートの枚数などについての議論が中心になってしまっている。こうしたやり取りは子どもを無視して方法論ばかりを議論しているように感じる。
また、エンカウンターは少し勉強したからといって安易に使うのは危険だ。この点がビデオでは強調されていなかったのが残念だった。村本先生はしっかり指摘されていたが、自己開示に伴う危険性、フェアネスについての問題があるからだ。実際、私が高校生のとき、担任教師がグループエンカウンターと思われるものをしたことがあった。講義で学んだ「欠点よりも良い点を見つける」ではなく、「直した方がいいところ」というテーマに沿って話し合いがもたれた。お互いに、相手の悪いところを言い合うことになり、クラスに深い溝ができ、登校拒否者が大量に出たり、体育祭などの学校イベントに参加しない生徒が出るという結果に終わった。
エンカウンターを効果的に使うことができれば、子どもたちに本音を語らせ、子ども同士のつながりを深めることによって、いじめや差別、学級崩壊を防ぐといった予防的な役割を果たす。子どもたちは教師に褒められるよりも友達に認められることのほうが嬉しい。教師が注意したところで素直に受け入れられなくても、友達に言われると素直に受け入れられることもあるだろう。子どもたちは、同じ立場にいる周りの友達からより多くの影響を受けているからだ。
最後になるが、特別にホームルームの時間にエンカウンターを行い、子どもたち同士のつながりを深めることも必要かもしれない。しかし、それぞれの教科や、道徳、特別活動中にも子どもたち同士をつなげていくための要素はたくさんあると思う。特に英語の場合、ペアワークやグループワークが多いので、教師に十分な配慮があれば、エンカウンターと同等のアクティビティを授業で行うこともできるだろう。教師が指導方法や型にこだわりすぎることなく、その場その場で、目の前にいる子どもを見て、その子どもに合わせた生徒指導なり、教育相談を行っていけるようになるのが理想だろう。
【参考資料】
『NHKプロフェッショナル仕事の流儀 人の中で 人は育つ 中学教師 鹿嶋真弓の仕事(DVD)』