はっと空を見上げたら、飛行機雲が、平行線を描いていた。
鉄道のレールのように、交わらない、ふたつの線。
その二つの線は、しかし、どこか仲良さそうに見えた。
「対話は平行線に終わった」というと、ネガティヴな意味になる。
お互い、問題解決の端緒をつかめなかった、ということだ。
あるいは、話がかみあわなかった、ということだ。
だけれど、平行するって悪くないよな、と思った。
交わることによって成り立つ人間関係もあるけれど、
干渉せず、交わらないからこそ上手くいく人間関係もある。
相手の領分に踏み込まないこと。
相手のことを、知りすぎようとしないこと。
それは「接して」はいないけれど、決して無関係ではない。
平行線は、どこまでいっても平行線だ。
だから、無限の関係性でもある。
交差する二直線は、ひとたび交わればあとは遠くなるだけだ。
だけれど、平行する二直線は、無限に関係を続ける。
交わらないこと。近付きすぎないこと。
そこに永遠があるとしたら、何て悲しいんだろう。
何てうまくいかないんだろう。
