関西で活動する音楽グループConceptusのブログです。
ここからが来年の話です。
来年の話をすると鬼が笑うといいますけれども、
怒らせるのでなければ良いことに致しましょう。(笑)
まずはご覧あれ!
この案内用チラシには二つの公演案内を掲載しています。
本チラシはまた上がり次第掲載します。
まずはアーノンクール1周年コンサートです。
モツレク、と言っているのがこの公演です。
先日ブログに書きました「ミゼレーレ」を前菜に、
モーツァルトの「レクイエム」をメインプログラムとして
奉献致します。
決して聴衆の皆様にだけお送りするわけではありません。
今年3月5日に亡くなったオーストリアの指揮者
ニコラウス・アーノンクール氏に捧げるもの、というのがメインです。
仏教で言うところのちょうど一周忌。
これをキリスト教式に、宗教行事として奉献するわけです。
以前ブログに書きましたように、
梵智セレクションというのは、
Confutatisまでを、アイブラーの補筆をもとにしたランドン校訂版、
Lacrimosa以降をアーメンフーガを含む補筆であるレヴィン補筆完成版、
という形態でのレクイエム演奏です。
主目的となるのは、もしモーツァルト自身が完成していたとしたら、
このような規模と品質だったろう、というところに
肉迫していると思われるセレクトをすることにあります。
もし順位をつけるとするならば、
同点1位でアイブラーとレヴィン、
次点がバイヤー、
その後に鈴木優人などが来るでしょうか。
番外編としては、完成形ではない故にモーンダーが来るかと。
この同点1位を組み合わせれば、
モーツァルトが完成していれば達したであろう理想像への
憧憬くらいは示すことが出来ると考えてのセレクションです。
しかし、皆さんには一つ、忘れていただきたくないことがあります。
もし、モーツァルト自身が完成していたとしたなら、
おそらく我々は「モツレク」という作品を知らなかったか、
もっと悪くすると、存在は聞いたがどんな作品かわからない、
という悲惨な状況に置かれていた可能性が大きい、ということです。
注文主のヴァルゼック伯爵、その妻が若くして亡くなったことが
レクイエム注文のきっかけとなり、
モーツァルトが未完成のまま亡くなったことで、
遺族が立ち回って完成させ、
契約に反してコピーを残して出版したからこそ、
未完成ではあるけれど、おおよそはモーツァルトがプランを立てた、
どうにか「モツレク」と称し得るものを聴くことが出来るわけです。
その歴史の重みは忘れないでいただきたいと考えています。
そんな歴史の重みを、200年以上たった今、演奏で示せるとしたら、
最初に補筆の依頼を受け、上質な補筆を残したアイブラー、
完成させたジュスマイヤーの良いところは評価して残し、
さらにブラッシュアップをしたレヴィン、
この2人の仕事をおいてない、と確信して演奏致します。
前半では、ジュスマイヤーとアイブラーの補筆について、
題材をConfutatisに、実演付のレクチャーを致します。
パートごとの分解演奏もしますので、
かの映画、「アマデウス」のサリエリによる口述筆記場面以上に、
臨場感のある作曲現場を追体験していただけると思います。
この演奏会は、ある意味コンツェプトゥスの総力戦です。
またご案内しますので、是非お越し下さい。