経理マンの働きながら会計士受験ブログ -12ページ目
 
前回の租税法に続き、今回は選択科目である「経営学」の学習についてです。

■公開模試・本試験の成績

・公開模試:A判定
・本試験の得点 : 61.15(経営論30.70、財務論30.45)


■私の予備知識

・経営論はこれといった学習歴なし
・財務論は大学院や証券アナリスト試験で勉強したので、公認会計士試験の中で
は最も得意な分野


■予備校

・インプットは市販の教材をベースに、追加で大原の試験委員対策を受講
・答練は大原メイン


■使用教材

経営論(第1問)

中小企業診断士 スピードテキスト (1) 企業経営理論

LEC 一問一答問題集 経営学

大原の試験委員対策レクチャー

④答練・模試
▼大原の論文答練(基礎・応用・直前)
▼大原とタック全国公開模試(H26年第2回)

①を2回程度読み、その後、④を繰り返し解きました。経営論はこれといった市販のテキストが存在しないため、中小企業診断士の「企業経営理論」という科目のテキストを用いましたが、体系的にまとまっていて、会計士試験にも有効だと思います。
少なくとも今年の試験では、このテキストで対応できました。

大原の答練は、解答の説明だけにとどまらずその周辺論点も加えた形で体系的にまとめてくれていて(大原のテキストの抜粋?)めちゃめちゃ素晴らしく、超オススメです。
④を繰り返し何度も読み込んで(日本一繰り返し読んでるかもしれません)、自分の言葉で説明できるくらいまで覚えました。

②はキーワードの穴埋め学習用として購入。
最近の本試験の傾向では、キーワードの穴埋めよりも、数行の作文を書かせる問題が大半であり、その傾向からは外れますが、キーワード問題も少しは出ますし、LECではこの一問一答を配付されて勉強してるそうなので、念のため使用しました。今考えると必要なかったかもしれません。

③は他の受験生に差を付けられないために、念のため受講しました。
値段は張りますが、テキストが良くできていて試験委員の著書から試験に出題されそうは論点をまとめてくれているので、受講して良かったです。


財務論(第2問)

④答練・模試
▼大原の論文答練(基礎・応用・直前)
▼大原とタック全国公開模試(H26年第2回)

LEC 計算問題集 経営学

私はファイナンスが得意だったため、④と⑤は全体通して1回、間違った問題をもう1回解き直しただけです。
一方、初めて学習される方は、ファイナンスの問題集1冊(予備校の授業を取ってない方は④がオススメ)と答練・公開模試は繰り返し繰り返し解いて、身体で覚えることができれば安定して高得点が望めます。
経営論と違って得点効率が良いので、経営論の学習よりも多くの時間を割くべきです。

⑤は内容的には良本。予備校に通っていない方はぜひ買った方が良いです。
LECの受講生も④が配布され、問題集として使用しているらしいです。


その他参考程度に読んだ書籍

スタンダード企業論 :牛丸元著

経営学入門 [上] :榊原清則著

経営学入門 [下] :榊原清則著

経営戦略全史 :三谷宏治著

テキスト経営学 [第3版] :井原久光著

他の受験生は予備校のテキストだけで十分かと思います。
そこを敢えて一冊読むとしたら、一番上の牛丸先生(現試験委員)の本が良いかと思います。(若干難しいですが)

以上、教材についてダラダラと書いてしまいましたが、経営論にしても財務論にしても、結局のところ、大原の答練・公開模試を繰り返し回すのが、最も効果的かつ効率的な勉強方法です。


■その他ポイント

経営論

何が出題される全く分からないカオスな科目で、学習量と成績が大して比例しない学習効率の悪いくせ者です。
とはいえ、学習しない訳にもいかないので、最低限、答練や公開模試の内容は頭に入れておき、他の受験生と差を付けられないようにしておきたいところです。

そんな努力が反映されにくい科目であるため、学習のモチベーションが上がらないかもしれませんが、経営論で学習するのはビジネスパーソンとしての一般教養的な内容であり、知っておいて損はしないです。そもそも会計士を目指すような方は経営戦略とかドラッカーとかポーターなどの経営学に興味がある人が多いと思います。
ぜひプラスに考えて将来に役立つ学問と考えて勉強して欲しいと思います。

試験本番では、全く知らない分野が必ず出題されますが、問題文の文脈からそれらしいことを書いておけば部分点がもらえるかもしれませんので、取りあえず回答は全部埋めた方が絶対に良いです。

なお、自分が知らない論点は他の受験生も知らないことが多いので、解けなくても全く気にせずに冷静に対処することが重要です。


財務論

頭では分かっていても計算ミスを起こしやすい科目なので、答練を解きながら間違えやすい箇所をメモっておくようにし、直前にそのメモを見直したのですが、かなり効果があったように思えます。

経営論と異なり財務論は多くの受験生がそこそこ点数を取れるレベルに仕上げてくるので、問題文の読み間違い、計算ミス(電卓ミス)、文字の書きミス等のケアレスミスを極力回避するように心がけていました。経営学は唯一時間が余りますが、余った時間は途中退出せずに、徹底的に財務論の見直しに充てるべきです。

それと、余談ですが、
財務論で使われる数値はそれなりに実態に近いものが使われることが多く(WACCは超低金利時代を反映できていませんが)、例えば、PERは20倍前後、PBRは1.0倍前後、βは0.8~1.5程度、といった数値から外れるものは計算ミスをしている可能性が高いと思うようにしていました。

また、財務論の実務での役立度という点で行くと、経営論以上に一般常識レベルです。
例えばクライアントから「自社株買いについて株価的にどう思いますか?」と何かの節に聞かれて、理論的にはどうか、でも現実にはこうなるケースが多い、といったことがサラッと答えられないと、はっきり言ってクライアントに舐められて、相手にされなくなります。会計士はファイナンス論も詳しいと思われてますから。それに、財務論は最近新聞でも良く話題になるので、ぜひこの試験勉強を通じてしっかり理解しておきましょう。


時間配分

経営学は、特定の問題にハマらない限り、時間は十分足ります。
従って、時間配分にそこまで気遣う必要はないですし、また、解く順番も経営論からでも財務論からでもどちらが先でも大丈夫だと思います。
私は、
①財務論をなるべくケアレスミスしないよう丁寧に解く(60分以内)、
②経営論を解く(40分以内)
③財務論の見直しをする(残り時間)

という順番にしてました。
多くの人は経営論から解いているようですが、私の場合、経営論のカオスな問題が全然分からずに精神的に参ってしまい、得意の財務論まで投げやりになってしまう、という負の連鎖を避けるため、他の受験生とは違う順番で解いてました。

以上、また長文となってしまいましたが、少しでも参考になれば。


今年科目合格した租税法、経営学、企業法の学習について、忘れないうちにまとめておこうと思います。
まずは租税法から。


■公開模試・本試験の成績

・公開模試:A判定
・本試験の得点 : 62.30


■私の予備知識

・税理士試験の法人税法の受験経験あり(H25.8受験し不合格)
・仕事では税務を担当(とはいえ中小企業なので超シンプル)


■予備校

 インプットは市販の教材のみ。
 答練はOメイン。


■使用教材

入門・導入

税大講本

無料でダウンロードできますが、入門的な資料としてはかなり良くできています。
会計士試験のレベルからすると、法人税はだいぶ簡単ですが、所得税と消費税は丁度良いです。
私は法人税と所得税と消費税を2回ずつ通読しました

私は今回の試験のために購入しませんでしたが(一昨年税理士試験のために購入したことがある)、ネットスクールの「とおるテキスト」の税理士試験用の法人税版・消費税版は非常に分かりやすくてオススメです。計算・理論の両方の対策になります。全部揃えると、結構なコストになりますが。



計算対策

TAC 租税法 (公認会計士 新トレーニングシリーズ)

個別問題の寄り集めで、とっかかりとしては非常に良い本です。
ただ残念なことに、2013年版を以て絶版となったようです。
私は2014年受験なので1年古い教材ですが、税制改正があった箇所を手直ししつつ、全体通して3回ぐらい解きました。


TAC 税理士試験対策 法人税法 完全無欠の総まとめ

計算パターンが非常にコンパクトにまとまっていて良書です。
税理士試験対策の本にも関わらず、レベル的には会計士試験の租税法にマッチしています(逆に税理士試験では不足している内容)。ただし、本書には試験範囲から除かれている分野(企業再編税制や国際税務など)も含まれてますので、試験範囲は公認会計士審査会のHPで確認して下さい。

ちなみに、同書で消費税版も出版されてますが(所得税版は出版されてません)、かなり細かくて難易度が高いので、消費税版までは必要無いと思います。


④Oの論文答練(基礎・応用・直前)
 OとTの全国公開模試

租税法の計算は、試験本番では総合問題形式で出題されるので、③だけでは個別問題だけしか対応できず計算演習としては不十分です。
従って、予備校の答練で総合問題形式に慣れるのは必須だと思います。
Oの応用答練以降は本試験よりも若干難易度が高く、この答練を繰り返し(3~4回)解いて総合問題慣れしていたおかげで、本番では風邪で咳ごみながらも十分対応できました。

なお、私はOのステップ答練やTのアクセス答練の類は一切手を出していませんでしたが、試験対策としては④だけで十分だと感じました。
(④の答練だけで全14回分あり、それだけをマスターするので精一杯でした)


理論対策

④Oの論文答練(基礎・応用・直前)
 OとTの全国公開模試

参考法令基準集

公認会計士試験租税法対策

実況中継! 租税法マスター

⑧過去問題


租税法の理論の学習は、④で問題を解きながら、必ず⑤で条文をひいてました。(当たり前か)
租税法は条文をいかにスピーディーに探せるかが重要なポイントです。
答練を3~4回繰り返し解くことで、短時間で模範解答に近い文章を書ける訓練をしました。

⑥と⑦は、参考程度に1回通読しました。
試験とは直接関連のない項目も多く載っているので、時間に余裕がない人は、論文答練だけを繰り返し解くのに時間を費やした方が効率的です。
⑥は評判の良い本で、確かに、租税法の論文の書き方を丁寧に解説していて役立ちますが、租税法の根本を問うような問題や10行以上書かせる問題も多く、最近の傾向(ほとんど事例問題で回答は5行以下)と少しズレているのがネックです。
その点、⑦は直近の過去問の解説を会話形式で平易に説明してくれており、最近の傾向に対応した書籍です。内容が予備校の講義風なので、私のように講義を受けていない人間には役に立つかと思います。

租税法理論は⑧も傾向を掴む上で、3~5年分は見ておいた方が良いです。


■試験本番・答練での戦略

理論

理論は得点源にしており8~9割は正答できるように心がけていました。

租税法の理論は、基本的には参考法令基準集に載っている法人税法・所得税法・所得税法(以下「法律」という)からしか出題されず、その下位にある施行令や施行規則、租税特別措置法、基本通達等からの出題はなく、もし法律以外から出題される場合には、必要な該当箇所を抜き出してくれており、その抜き出しが答えのヒントになるため、答えは自ずと分かってしまいます。

法律の中からの出題という縛りがあるので、出題できるパターンはさほど多くなく、答練や過去問をやり込めば、試験本番でも安定して高得点を狙えます。

そして、「スピーディーに参考法令基準集から条文を探し出せること」をかなり重視しました。
そのため、
・目次に慣れる
・頻繁に出る条文は条文番号をざっくり暗記
することで、だいぶ理論にあてる時間を短縮できるようになりました。


計算

法人税と所得税で点数をしっかり稼ぎ、消費税はすぐに答えが導き出し得る箇所(売上返還や貸倒あたり)を確実に正答し高得点は狙わないことを心がけました。
というのも、消費税は1箇所間違えると、雪崩式に不正解と場合が多いからです。
税理士試験の消費税法の合格レベルの実力があるような人以外は、消費税の計算には力を入れ過ぎず、また本番でも消費税に時間をかけ過ぎないのベストかと思います。
勿論、明らかに簡単な問題が出題された場合には一通り解きますが、初見で難易度が高いと感じたら即捨てるようにしてました。
今年の本試験は難わしかったので、もちろん2、3箇所だけ解いて、あとは捨てました。


法人税は個々が独立していて部分点で稼げますし、所得税は出題されるパターンが限定されており点数が取りやすいので、法人税と所得税はやればやるだけ点数が伸びると思います。

それと余談ですが、所得税の所得控除の算出方法(生命保険料控除、寄付金控除、給与所得控除、退職所得控除等)は一応は暗記したものの、試験中に緊張して忘れてしまうリスクを考慮し、参考法令基準集を見て、素早く調べられる状態にしておきました。


時間配分

理論45分、残りの1時間15分はひたすら計算にあてる。

計算の時間配分は、ざっくり法人税50%、所得税30%、消費税20%ぐらい。(問題の分量によって前後)


以上、長文となりましたが、参考になると幸いです。

次回は、経営学について触れたいと思います。
 

昨日は日商簿記1級の日。

起きたのは8時30分。
・・・試験開始は9時。

寝坊してもうた。

チーン。


昨日の天気は快晴で青空が広がっていましたが、私のココロはずっとブルーでした。

日商簿記1級に合格して、来年の会計士試験に弾みをつけたかったのですが、受験すらできなかったという阿呆な結末により、ココロにぽっかり穴が空いてしまいました。

そんなココロのスキマを埋めるべく(喪黒福造?)2月に「全経上級」を受験しようかと思います。

やはり、資格の借りは資格で返さなければ。

さらに、6月に日商簿記1級のリベンジマッチで、圧倒的点数で合格してやります。

ついでに、税理士試験の簿記論と財務諸表論も突破してやります。

やられたら やり返すっ  4倍返しだぁ


・・・ってか、他にやるべきことがありますよね。

やっぱり私は阿呆だ。