お盆休み、不均質な自然と人の美術館「太陽と月の部屋」を訪れ、アートホテル「ガレリア御堂原」に宿泊したあと、別府温泉の「地獄めぐり」に行きました。
コアなアートスポットを訪ねるのが旅の目的の一方で、鉄板の名勝も抑えます。「地獄めぐり」は7つの温泉をめぐる(入るのではなくて見る温泉)もので、半日あれば徒歩とバスで回れます。
海地獄(国指定名勝)
最初は海地獄。ターコイズブルーをさらに明るくしたような青。画像だけ見ると爽やかですが湯気が吹きつけて暑い。(真夏の温泉が暑いのは当たり前ですが。)
観光スポットとしてよく整備されていて、順路通りに進むと最初にお土産売り場を通るようになっています。(他の地獄も同じ。)地獄の沙汰も金次第ということです。
海地獄は温室もあります。熱帯の植物園に蓮の花が咲いていました。
仏教彫刻で用いられる花です。こうして実物を見るとごちゃごちゃした水中から、一本茎がすくっと立ち上がり大きな花を咲かせる姿は超前として、俗世を離れて境地にある仏になぞらえるのもよく分かります。
地獄に仏とはこのことですね。
鬼石坊主地獄
かまど地獄
「かまど」の名の由来は、昔、神事に用いるためにこの温泉の熱で米を炊いていたことに由来します。
竈門つながりで、アニメ「鬼滅の刃」の取材記事とか貼ってありました。ここは色の違う温泉がいくつかあったり、鬼の人形の地獄紹介や、説明員の方の温泉紹介など色々力が入っていました。
鬼山地獄
なぜワニが?とお思いの方もいるでしょうが、温室で熱帯の植物を育てるのと同じ原理で、温泉の熱でワニを飼っています。静止したしたままほとんど動きませんがたまに瞬きするので生きてるとわかります。アリゲーター、クロコダイル、両方いました。ある意味7つの中で最も危険な地獄です。
白池地獄(国指定名勝)
本当は真っ白なはずですが、今は少し藻が繁殖しているためで少し黄緑がかっています。少し残念ですが、自然は人の思うままにはならないのが当たり前ですよね。
血の池地獄(国指定名勝)
見事なくらい真っ赤です。1300年前に記録があり、地獄の名はこの温泉に始まったといわれています。温泉地が地獄と言われるのは有毒ガスや、作物の育たない土地柄であることもありますが、このビジュアルはまさに地獄そのものに見えたことでしょう。
龍巻地獄(国指定名勝)
間欠泉です。周りに屋根付きの観覧席が設置されていて、自然と人が見事に融合した観光スポット。
噴出周期が短く1時間に1回くらいの頻度で6〜10分間くらい吹き上がります。休憩をする時間、お土産を買う時間、撮影をする時間、と理想的なペースで噴き出す温泉です。
龍巻と言ってもお湯は真っ直ぐしか噴き上がらないので、そこは盛ってます。
来る前は箱根の大涌谷のような殺風景なものをイメージしていたのですが、街中のベタベタな観光スポットでした。温泉ごとに工夫があり面白いです。別府では温泉は当たり前なので、さらにひと工夫しないと競争に勝てない。思いつくことは全部試して当たったものを採用してきたからか、ゴチャゴチャした感じでそれも温泉地ぽくて良かったです。
意外と東京から近いとわかったので、次に訪れる時はアート抜きでゆっくり温泉に浸かりに来ようと思います。
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