不均質な自然と人の美術館「太陽と月の部屋」

2023年8月13日(月)



最初に一言。


遠かった。


昨年2022年の第25回文化庁メディア芸術祭で

この美術館の「太陽と月の部屋」がアート部門大賞を受賞しました。


展覧会で観て絶対行くと決心し、年初のブログで訪れると宣言したものの、美術館は九州の大分県国東半島の海岸、長崎鼻キャンプ場の中にありました。


私は車の運転をしませんので、北九州から電車と路線バスと徒歩で現地まで行きました。それは旅の楽しみでもあるのですが、この炎天下、日陰のない道を30分歩くのはしんどかった。



こんな感じです。


ここは春は菜の花、夏はひまわりで一面が黄色に染まる絶景スポットです。もう一週間もたてば、ひまわりの咲くほこる時期なのに、そこを外してアートだけ見に来る物好きな人間は私くらい。


とはいえ天気が晴れなのは、この美術館を観る上で大切なポイントで、運は良かったというべきでした。


美術館とはいっても3つの部屋があるだけの小さな建物です。どの部屋もそれ自体がアート作品。このうちのひとつが「太陽と月の部屋」です。



 太陽と月の部屋



センサーを用いたインタラクティブ作品です。天井にある円い穴にはフタがついていて自動的に開閉します。晴れなら太陽の光が円い形になって床や壁を照らすよう南向きに設計されています。




人が部屋に入るとすべての天井のフタが閉じて、人の動くところだけフタが開く仕組みです。フタが開くのに合わせてピアノの音が鳴ります。音階はランダムなものですが、人が歩くとピアノの音が連なり環境音楽のようです。




もう一つ大事な仕掛けとして、スモークがあります。不定期に部屋にスモークが発生します。これによって、天井の光は光芒となって人を照らします。



時間、季節や天候により、見え方も大きく変わります。曇りの日は、ほとんど見えないそうです。「不均質な自然と人の美術館」という名前は、自然現象の変化に見え方が移ろう作品であることから名付けられました。



天から降って来る光が自分を追いかけて来るのは何か特別な感覚が湧き上がってきます。(子供だと走り回って喜んでいますが。)正直に言うと、寝そべってゴロゴロしながら光芒に追われたい衝動にかられましたが、他のお客さんもポツポツ来るので踏みとどまりました。もっと広ければ豊島美術館みたいにダラダラぼーっとできるのですが。



気になったのは「太陽と月の部屋」という名前。月というのは、もしかしたら満月なら夜でも光芒が見えるということでしょうか。もしそうであれば、夜の開館もお願いしたいです。





 長崎鼻リゾートキャンプ場

さて、順序があべこべではありますが、この美術館のある長崎鼻リゾートキャンプ場に触れておきます。国東半島の先にある海岸のキャンプ場です。前述した花公園の他に海水浴場やパワースポット(行者洞窟)があります。




そして、実は野外展示の本格的なアート作品もあります。


戸田裕介 水土の門/天地を巡るもの-II (stage-II)


鴻池朋子 One Wild Day



いらっしゃる方は、アートだけでなくキャンプ場と合わせて来る方が、絶対楽しめる思います。もちろん車を使ってください。


歩きとかはやめた方が無難です。




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