青森県アートツアー3ヶ所目は青森県立美術館です。久しぶりに来ました。いいイメージしかないです。久しぶりの印象はちょっと汚れた?
完成当初は真っ白でオシャレな建物でした。そろそろインバウンドが復活するのに備え、青森県も予算つけて外壁をメンテした方がよろしいかと。
余計な話しはさておき、今日は庵野秀明展を開催していました。
興味はあったのですが、行列に並んでチケットを買っていると今後の旅程に差し障りがあるのと、以前国立新美術館で見ているのでパス。入館用の1基のエレベーターの扉にNERFのマークが入っていてカッコ良かったです。
ということで、常設展フロアに一直線。入ってすぐの共用スペースの大ホールでは、四方に掛けられた4点の巨大なシャガールの絵が迎えてくれます。
マルク・シャガールによるバレエ「アレコ」のための背景画 第4幕 サンクトペテルブルクの幻想
とにかく大きいです。絵としては色数が少なめ、要素も少なめなので、ちょっと物足りないなと思います。舞台の背景なので、演者や舞台セットと合わせて世界観が完成するよう設計しているのかもしれません。
ここから常設展のスペースに入ると、まずあの日本人アーティストの作品。
奈良美智
1,2,3,4! It’s everything! / Aomori Version
アオモリ・ヒュッテ 1
Three Sisters Billboard / Aomori Version
Heads
青森県弘前出身、奈良美智です。いつも青森県で展覧会が開催されているイメージです。絵画、立体、インスタレーションと表現方法が多彩。女の子のキャラクターも可愛く人気があるのはよくわかります。青森県と言えば奈良美智、棟方志功を超える勢いです。
奈良美智 パフ・マーシー
奈良美智 Broken Heart Bench / Aomori Version
なぜベンチ?
そういう洋楽のフレーズがあるのか、小説か映画の象徴的な場面があるのか?寓意や出典が気になります。
たった今恋人と別れて独りになった、約束した恋人が時間になっても来なかった、直前に恋人と別れて気がついたらベンチに座っていた、、、。
ベンチがあるとかえって妄想も広げやすいか。
奈良美智 HULA HULA GARDEN
奈良美智は部屋や小屋を作って中に彫刻、絵画、デッサンをたくさん並べるという手法をよく使います。作品が可愛いので覗いて観るのは楽しいです。うつ伏せに倒れている子供たちは体調が悪いのではなく元気に遊んでいると思いたい。
石井康治 ガラス筥ー花筏
石井康治
石井康治は青森に工房をもつガラス工芸家。とても綺麗です。一体どうやって作ったのか思うほど模様と素材が入り組んでいます。自然のモチーフ、木々、花、水など、絵画的な事物も図案に取り込み、青森県のイメージにもよく合います。あと「筥」は「はこ」と読みます。
棟方志功 丸紋百花譜
棟方志功の展示室もあります。
屏風に貼られているのは、棟方志功が倭画と呼ぶ日本画です。これは色とりどり草花を集め丸く描いています。色は混ぜずにそのまま置いているので派手な印象を与えます。印象派の手法のようでもありますが、生まれ育った青森のねぷた祭りの色彩感覚だと聞いたことがあります。
棟方志功 双天妃図
大皿に線画。普段彫刻刀を使う棟方の線は、鋭く深く切れ味が良いです。この手の作品は、線の走り方、迷いのなさが印象を左右します。シンプルながら棟方の個性が際立つ作品です。
常設展のスペースの中に企画展が入っていました。2人の若手アーティストのコラボ展示です。
「大森記詩と青秀祐 ARMORY SHOW SITE-A : Damage control 」
庵野秀明展との違いは常設展の料金内で観ることができることです。
大森記詩(おおもりきし) Golem
プラモデルの兵士など組み合わせて制作したゴーレム。
青秀祐(あおしゅうすけ) Flammable Box
ソフトスカルプチャー。
大森記詩も含め詳しくは別の機会に詳しく掘り下げます。また必ずどこかの美術館か芸術祭で出会でしょう。
撮影は禁止でしたが、成田亨の作品もありました。庵野秀明展の絡みではなく、青森県出身のアーティストなので、作品が所蔵されているそうです。ウルトラマン、ウルトラセブンなどのデザイン画が展示されていました。
館内はこの辺にして屋外彫刻も見て観ましょう。
奈良美智 あおもり犬
再び奈良美智です。あおもり犬です。下を向いているのでショボンとしているようにも見えますし、瞑想しているようにも見えます。仏教彫刻の大仏様や菩薩様的な微笑みにも通じるものを感じます。
犬ですが。
奈良美智 Miss Forest /森の子
屋外の建築作品「八角堂」に2016年12月に設置された彫刻。八角堂から、主役はこちらに移ったように感じます。尖った頭が建物から突き出し周りの景色も取り込んで、敷地全体とのつながりが強くなりました。いずれは八角堂の内側の壁にも絵を加えて、作品全体として更にバージョンアップさせる日が来ると思います。
さてこれで今回の目的だった青森県アートツアーはコンプリートです。
- 十和田市現代美術館
- 棟方志功記念館
- 青森県立美術館
一泊二日の県内の移動ではありましたが、公共交通機関を使ったので、なかなか大変でした。この3ヶ所でしたらタクシーもうまく使って、余裕をもって鑑賞できる時間を確保するのがオススメです。
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