新宿区落合、この辺りに武蔵野の風景がまだ残っていた大正の頃、多くの文化人が住んでいました。彼らの住まいのうち、新宿区が今でも保存している建物が3つあります。


  • 中村彝アトリエ記念館
  • 佐伯祐三アトリエ記念館
  • 林芙美子記念館


先日、西武新宿線沿線、下落合駅、中井駅にあるこの3つの記念館に行ってきました。


きっかけはいくつかありまして、ひとつめは山田五郎のYouTube チャンネルの佐伯祐三の回で紹介されたこと、もうひとつは東京都現代美術館のウェンデリン・ファン・オルデンブルフの展覧会の作品の中で林芙美子記念館がロケ地として使われたこと、そして、そもそも私の通勤経路の途中に記念館がありいつでもすぐ行ける場所にあったこと。


きっかけポイントが3つ溜まって、ついに行動が実現しました。



  中村彝アトリエ記念館

「エロシェンコ氏の肖像」(重要文化財)が有名な洋画家、中村彝(つね)が生前使用していたアトリエを記念館にしたものです。JR目白の駅から歩いて10分、西武新宿線下落合駅からなら15分くらいでしようか。



高級住宅街のど真ん中にあるので、車では行けません。入場無料です。ゆっくり見ないとすぐ終わる大きさです。



庭がよく手入れされていて、住宅地なのに電柱が目立たず空が広く見えて気持ち良いです。



アトリエも当時のイーゼルや家具(複製)を置いてあり、雰囲気がいいです。



北向きの高い窓。



このためだけに来るには小さ過ぎますが、近くに来ることがあれば、覗きにくるのもいいかもしれません。


代表作の「エロシェンコ氏の肖像」はこちら。「重要文化財の秘密展」で撮影しました。肖像画に長けた画家でした。





  佐伯祐三アトリエ記念館

続いて佐伯祐三アトリエ記念館です。入館無料です。こちらは密集した住宅街の隙間に奇跡的に残っている感じです。佐伯祐三はこの家を若い頃に手に入れて、その後フランスに渡り、病気を患って帰国して、またフランスへ行ってしまいましたから、ここでの制作期間は合わせても4年程度でした。



緑に覆われて森の中の家のようです。真夏に来ると気持ちが良い場所になりそうです。



アトリエは展示室になっていてあまり絵にならないので撮影しませんでした。見てみたい方は訪れてみて下さい。



佐伯祐三の妻、佐伯米子も洋画家で、祐三と娘の彌智子が亡くなった後、ここに住み生涯洋画家として活躍しました。早逝した画家のアトリエが今でも保存されているのは米子がいたからだったんですね。



  林芙美子記念館

アートと関係なさそうですが、訪れるきっかけは先に述べたように、ウェンデリン・ファン・オルデンブルフの作品で見たからです。感じのいい日本建築の居間で、林芙美子の小説を朗読する映像を見て入ってみたいと思いました。



ところが入室は禁止でした。残念。



この家は広くてアトリエもあります。なぜ小説家の住まいにアトリエがあるかといいますと、林芙美子の夫、手塚緑敏が画家だったからです。



わかりにくいですが、奥の階段を登って右に入った所です。こちらは芙美子の資料展示室として使われています。



庭には色々な草花が植えられている古き良き日本家屋です。



紅葉や竹林もあり、いい環境でした。



こちらは入館料150円(一般)です。確か有料に値する場所でした。3つの記念館の中では一番オススメです。


ということで、3つの記念館を周りスタンプを3つ集めました。



記念品は絵葉書3点セット。



思いがけず達成感のある記念館巡りとなりました。

 






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