題名:クリスト ウォーキング・オン・ウォーター

ドキュメンタリー  /  2018年 / 104分

監督:アンドレイ・M・パウノフ

映画館:ユーロ・スペース

 

 

 

 

今年の5月に亡くなった現代アーティスト、私が最も好きなアーティストの一人であるクリストのドキュメンタリー映画。2016年にアルプスの麓にあるイタリアのイゼオ湖で実現したプロジェクト「フローティング・ピアーズ(浮かぶ桟橋)」の記録。

 

この作品は接合できる22万個のキューブ型の浮きを湖に浮かべて作った全長2〜3キロの桟橋で湖上を歩いて渡れるアート。1970年に構想してから46年かけて実現。

 

プロジェクトの実現まで、制作以外の仕事、講演会、自治体や行政府との打ち合わせなどにも奔走する。現場の準備段階で悪天候に見舞われたり、オープニングパーティーでの挨拶回り、公開直後にコレクターに販売する絵画作品の展示準備、等。

 

作品が完成した後でも運営でトラブル発生。

想定外の来場者数の多さに(45,000人の見込みが100,000人来場)初日から中止の危機が。

 

途方もないプロジェクトを実現してきた先駆者の生の姿を見ることができる。

 

この人の尽きない情熱はどこから来るのだろう。実現に向けた説明会で、水面の上で揺れる美しい桟橋の素晴らしさを人々に繰り返し語り続け、多くの人をその熱量で呑み込んで行く。

 

現代アート好きの私の理解すら越える不屈の芸術家。自己肯定力などという言葉では言い尽くせない行動力。

 

映像も美しく現地の雰囲気も良く伝わって来るので、リアルに見に行きたかったと今更思う。当時は6月下旬から3週間では休み取れないなと簡単に諦めた。

クリストの行動力、実現力を学ばねば。

 

来場者の抽選プレゼントで、桟橋に使用したものと同じ素材のサンプル布に当選。

 

 

私にとって、素敵なクリストマス(?)プレゼントとなりました。