MANGA都市TOKYO 

ニッポンのマンガ・アニメ・ゲーム・特撮2020
国立新美術館
2020年9月13日(日)
 
結論から言うと、面白かったです。
 
マンガやアニメ・特撮を一度にたくさん展示するのは難しい。マンガは本だから何百頁、何十巻という分量があるし、アニメ・特撮は映像だから30分、2時間、26話などという尺がある。全てを展示できないから、見ている方も全てを見れずに欲求不満が残る。
 
その点、今回の企画は「東京」を切り口にマンガ・アニメ・特撮を取り上げているので一貫性をもって見ることができる。どの作品も「東京」を魅力的に描いているので、見ていて飽きない。
 
まず「東京」と言えば破壊。とにかく東京はよく破壊されている。破壊は画になる。こんなに自国の首都を破壊するコンテンツを作る(好きな)国民も珍しい。ゴジラ映画は第一作からシン・ゴジラまで魅力的な東京破壊映像をコンスタントに創り続けている。
 
東京タワーや都庁という象徴的な建物の破壊は日本が右肩上がりに成長していた時代の裏返しでもあり、勢いを失い始めてから、東京の日常の小さな風景をクローズアップした作品が増えるという展示の流れはその通りだと思う。
 
東京は時代ごとの変化も著しい。古都京都と比べると期間は短いが、江戸時代、幕末維新、明治、大正、昭和、昭和(戦後)、高度成長期、バブル期、バブル崩壊後、平成、令和と様々な顔があり、おのおの作品の世界観を多様なものにしている。更に作品が現実に反転してリアルな世界に影響を与え、東京は今、カオスだが結構文化的な厚みと面白さのある都市になったと思う。本当にMANGA の果たした役割は大きい。
 
この展覧会は当初9月までの予定でしたが、11月3日まで会期延長となりました。
ネットによる日時指定チケット制で人数制限し、三密対策も施されていますので、是非ご覧下さい。