我々の見たこともない幻想の幻とはこの素晴らしさである

草間彌生美術館
2020年8月23日(日)
The vision of Fantasy that we have never seen is the splendor, Yayoi Kusama Museum
 
東西線早稲田駅から程近い草間彌生の美術館。こじんまりとしていて、スタジオのような感じもする。この辺りの街並みは雑然としていて洒落た現代アートの似合う場所ではないが、それすらも取り込もうとするようなオーラがある。
 
インスレーション「マンハッタン自殺未遂常習犯の歌」は草間彌生らしい。表現することに躊躇いがない。歌は正直うまくないので歌詞が入ってくるのに時間がかかるが繰り返し見ているとわかってくる。自らを歌うこの作品は一種の挨拶のようでもある。映像を無限に拡張する鏡は作者を蝕む無限のイメージを作品化している。
 
「無限の宇宙 INFINITY - COSMOS 」は以前ほかの美術館で見たと思う。ここでの観覧は1人2分の入れ替え制。無数の光が明滅する無限の空間に暫し時を忘れる。単純に綺麗。Team LABが似たようなものを作っていた。
 
全体にはとっつき易い展示で、誰にでもオススメ。
 
最上階は空や外の街並みを取り込んだ展示空間。
 
花のオブジェ「天空にささげた私の心すべてをかたる花たち」。水玉模様でドキつい色彩。もはや記号化している特徴的なビジュアル。屋外でも強烈な存在感。
 
今回の展覧会は作品数が少ないと思う。次はもう少し数を増やしてほしい。