バンクシー展 天才か反逆者か
アソビル
2020年8月3日(日)
キース・ヘリングや、バスキアが現れた頃、街の壁に描かれた落書きが巻き起こした熱狂を理解できなかった。額装された作品を美術館で観てもいい絵だなあとは思っても何か府に落ちなかった。
この展覧会が府に落ちるという訳でもないが、幅広く活動を網羅しているので、その世界的影響の大きさがよくわかる。
バンクシーは、プロモーションの能力が極めて高い。取り上げるテーマが現代の政治問題や社会問題で、モチーフが具体的・キャッチー過ぎてあざとく見える。美術館に勝手に作品展示したり、国際紛争の現地で作品を作ったりして、グラフティを炎上装置として利用しているのもそうだ。だから私にはバンクシーはアーティストというより活動家に見える。作品はそれの置かれた環境、過去から現在に到る文脈が重要でイベントを構成するピースの1つである。そのような時間的にも空間的にも限定的な性格の作品が時を越えるだろうか。
個別の作品については改めて書くつもりだ。
本物のバンクシー体験ができる日を楽しみにその活動を注視していこうと思う。