大阪〜北陸を結ぶ特急サンダーバード号が走る湖西線は、ほぼ全て高架線ゆえ風の影響を受けやすく、頻繁に電車が止まります。
そんな時の迂回ルートとして設定されているのが、JR琵琶湖線経由の米原迂回ルート。
ある程度ダイヤが組まれているといわれ、それなりの頻度で見られる運行方法です。このルートは少々遠回りなので、所要時間が30分程度増加します。
北陸新幹線敦賀〜金沢延伸に伴い、関西〜北陸の長距離輸送は敦賀駅で分割されることになりました。
遅れている特急サンダーバードから北陸新幹線へ乗り換えることができるのか。前半では一般の方にもなるべく分かりやすいよう解説。
後半では敦賀駅での列車接続や、北陸新幹線内での列車追い抜きなどご覧いただけたらと思います。
今日は北陸新幹線敦賀〜金沢延伸後、初めて特急サンダーバード号が米原迂回運転を行います。
発車標を見てみると、行き先が「敦賀」だらけに。
普段は「湖西経由敦賀」と表示されるため、「敦賀」とだけ書かれるのは米原迂回時だけと思われます。
改札周辺では特急サンダーバード運転経路の変更について、掲示がなされていました。
大阪・京都→敦賀に関して、日中のサンダーバード11〜41号・83号が米原迂回の対象みたいです。
「金沢駅での北陸新幹線には〜」の文言が残っており、特急サンダーバード号が金沢行きだった頃の残り香を感じられました。
こちらの発車標でも「琵琶湖線:米原経由に運転経路を変更」と流れており、駅員さんが案内放送も行っていました。
今回は11:40発のサンダーバード19号に乗車。敦賀駅では北陸新幹線つるぎ20号が接続しています。
行き先表示器も「敦賀」になりまして、金沢まで行かなくなったのだという現実を突きつけられます。
特急サンダーバード号は全車指定席になり、これまで自由席だった5,6号車も指定席です。
あらかじめ指定席特急券の購入をしておきましょう。
車内で発車を待っていたら、列車を停止する信号を受信したため見合わせに。京都駅より大阪方の向日町駅付近で、列車に人が触車したためとのことでした。
今乗っている列車はそれほど影響ありませんが、これより後ろのサンダーバード号はもっと遅れることでしょう。
12:00ごろ扉が閉まり、運行を再開しました。
気を取り直しまして、20分遅れで京都駅を発車。
ここから米原迂回のため、さらに30分遅れることになります。
自動放送など全て「敦賀行き」になっており、車内表示器に関しては特に米原行きだからと言って特別ではありません。
通常特急サンダーバード号は、山科駅から湖西線に入ります。
今日は米原迂回なので、そのまま琵琶湖線を走行。
一時的に列車が詰まっているためか100km/h以下での走行でしたが、すぐに最高速度130km/h近くまでスピードを上げてきました。
JR西日本列車運行情報アプリでも、サンダーバード敦賀行きが琵琶湖線のどこを走っているか分かります。
彦根市内を走っていると車掌さんから、敦賀駅で北陸新幹線つるぎ20号へ接続すると案内がありました。敦賀駅到着は13:11見込みとのことです。
一方で、敦賀駅12:58発はくたか566号東京行きには乗り換えられないため、後続の13:48発はくたか568号が案内されます。
北陸3県の北陸新幹線には、「かがやき」「はくたか」「つるぎ」の3種類があります。
「つるぎ」は敦賀〜富山で走る列車であり、大阪・名古屋〜北陸を結ぶ一端を担います。
一方で「かがやき」「はくたか」は北陸〜東京を結ぶ列車です。そのため、特急サンダーバード号が遅れた場合、接続するのは「つるぎ」のみ。「かがやき」「はくたか」への接続は考慮されません。
大阪・名古屋〜北陸を移動する際は、サンダーバード+つるぎの組合せで特急券を手配しておくと、遅れた場合でも安心です。
東海道新幹線との乗換駅、米原駅では運転停車が行われます。
扉は開きませんが、おそらく信号待ちのため必ず停車します。
発車標では臨時との表示。
ホーム上からは、しらさぎ号ではなくサンダーバード号ですとの放送が聞こえてきました。
北陸本線内もスピードを落としておらず、120km/h走行。
サンダーバードの通常ルートとなっている、湖西線が左手から近づいてきました。
車内表示器では、終点敦賀ですと繰り返し流れはじめます。
車掌さんによる放送、新幹線つるぎ20号やハピラインふくいへ接続していることを聞きながら、新幹線高架下の在来線特急用ホームへ。
12:33 敦賀駅 着(42分遅れ)
最終的に13:15、敦賀駅に到着しました。
到着用ホームになっています、32番線ホームです。
ここから北陸新幹線へ乗り換えです。
エスカレーターは2列両方とも上向きで、それなりにスムーズな乗り換えができています。
ここには乗り換え改札があり、「乗車券」「新幹線特急券」と書いてあるきっぷを投入します。
今回は敦賀駅にて、在来線特急と北陸新幹線がどのように接続するかご紹介しようと思うので、入場券で入り直しました。
新幹線運行状況を見てみると、接続待ち合わせのため一部列車遅延と出ています。
ハピラインふくいも接続待ちしており、武生・鯖江などへスムーズに行くことができます。
接続しない12:48発東京行はくたか566号に乗れなかった場合、13:48発の東京行はくたか568号があります。
列車遅延により乗れなかったので、改札内のみどりの窓口で指定席変更もできるはずです。
11番線ホームへ上がりまして、サンダーバード19号から接続する、つるぎ20号が停車中。
13:25ごろ、約43分遅れで発車していきました。
ご覧頂いた通り、特急サンダーバードから新幹線つるぎ号へは基本的に接続が取られています。
一方で新幹線はくたか・かがやき号に関しては、北陸〜東京を結ぶのが目的なので、接続が取られません。
ここからは敦賀駅で滞在し、遅れている在来線特急から北陸新幹線へ接続の様子をお届けします。
次の北陸新幹線は13:41発つるぎ22号、しらさぎ7号・サンダーバード21号から接続します。
名古屋から特急しらさぎ7号が、34番線ホームに到着。
折り返し運行する場合、到着ホームの31・32じゃない方に着くこともあります。
既につるぎ22号の発車時刻は過ぎていますが、14分遅れで到着した特急しらさぎ7号から、接続待ちをしています。
一方で、本来接続する特急サンダーバード21号は未だに草津駅。列車に人が触車した影響を、かなり引きずっています。
本来サンダーバード21号から接続する新幹線つるぎ22号ですが、しらさぎ7号からのみ接続。
7分遅れで13:48に出発していきました。
つるぎ22号の発車を待っていた、はくたか568号がすぐの発車です。こちらは1,2分程度の遅れなので、回復運転で何とかなりそう。
ちなみにお隣からは、ちょうど回送列車が発車していきました。
12番線ホームにつるぎ24号、11番線ホームにつるぎ26号が入線済みです。
しかし、発車時刻になったところで、特急サンダーバード号から接続待ちのため、発車が遅れるとの放送。
発車時刻は14:55ごろと案内がありました。
触車による影響を受けた特急サンダーバード21号は草津駅、特急サンダーバード23号は一つ隣の南草津駅です。
本来つるぎ24号に接続するのは、サンダーバード23号からのみ。しかし、これだけ近いので21号と23号共に、つるぎ24号へ接続するのでしょう。
特急発車ホームとなっている、33・34番線ホームへ。
定刻通り運行している、特急しらさぎ55号が入線しました。
特急しらさぎ55号は、つるぎ26号に接続しています。
ホーム上で列車遅れの案内が無かったので分かりませんが、つるぎ24号を待ってから26号を発車させるのでしょう。
つるぎ26号は特急しらさぎ55号・特急サンダーバード25号から接続しています。新幹線開業前、特急しらさぎは特急サンダーバード遅れの影響をほぼ受けず、福井・金沢へ行くことができていました。
しかし、敦賀〜金沢についても、特急しらさぎ・サンダーバードのお客さんを新幹線に一本化したため、特急しらさぎのお客さんは本来関係なかった、特急サンダーバードのお客さんを待たなければならなくなりました。
サンダーバード21・23号は予定よりも更に遅れており、つるぎ24号は14:55にも発車できなさそう。
サンダーバード号との接続が関係ない、かがやき号に途中で追い抜かれるのではと思い始めました。
到着ホームとなっている、31番線ホームへ。
14:55、1時間22分遅れで特急サンダーバード21号が到着しました。
ここのエスカレーターは上りエスカレーターが片方だけなので、どうしてもスムーズには行きません。
程なくしてサンダーバード23号が入線しました。
やはりこの2列車分、つるぎ24号へ接続させるようです。
敦賀〜福井の新幹線自由席特急券を買っておいたので、つるぎ24号に乗車することにしました。
ここで発車標を見てみると、かがやき510号とつるぎ26号の発車順が入れ替わっていました。
つるぎ26号は、特急サンダーバード25号の接続待ち。
しらさぎ55号のお客さんは、まだ待たされることになります。
つるぎ24号には、サンダーバード21・23号のお客さんが集中。
つるぎ22号の指定券を持っていた方も、チケットレス特急券の方でなければ変更できないので、自由席やデッキに集まります。
15:07、サンダーバード21・23号を待ち続けたつるぎ24号は、56分遅れで敦賀駅を出発しました。
ここでJR東日本アプリの列車情報を確認。
今乗っているつるぎ24号は、越前たけふ駅で4分停車し、福井駅には15:28着とあります。
そして後続のかがやき510号ですが、福井駅15:23着。つるぎ24号より先の到着です。
つまり、越前たけふ駅で、つるぎ24号はかがやき510号に追い抜かれるということ。
つるぎ24号は越前たけふ駅に到着。
2面2線構造で通過線が2本あるため、列車の追い抜きができます。
この便は越前たけふ駅に停車するので、ホームに面する線路へ。
こちらの発車標では、遅れ時分が表示されていました。
程なくして鉄道唱歌のチャイムが流れ、上り列車が通過との自動放送。
そして敦賀駅からやってきた、かがやき510号東京行きに追い抜かれました。かがやき号はサンダーバード接続待ちによる遅れを持ち越さず、東京まで行くことができます。
車内では、福井駅でかがやき号に乗り継ぎ予定だったお客さんに、お詫びの放送がなされていました。
確かに、越前たけふ駅から東京方面へ行きたかった人については、この方法を取ったことで東京に着ける時間が遅くなります。
しかし、東京に列車の遅延影響を与えないためには、仕方ない対応です。
まもなく福井駅に到着するところで、信号待ちのため停車。
かがやき510号が発車したばかりなので、列車間隔を開ける必要があるのでしょう。
福井駅には15:28着、1時間4分遅れでの到着です。
サンダーバード2列車分のお客さんがいらっしゃるため、かなりの方が降りてこられました。
金沢までの需要も大きく、デッキの混雑は同じくらいです。
つるぎ22号の指定席を持っていた方については、有人改札に申し出という形になっていました。
福井駅新幹線ホームに滞在しまして、しばらく新幹線発着の様子を見てみます。
サンダーバード25号から接続待ちをしている、つるぎ26号は45分遅れです。
そろそろ敦賀駅を発車した頃ですが、遅れは1時間ほどに増加しています。
10分ほど経ったところで、つるぎ28号よりもかがやき512号の方が先発となりました。
発車の順番としては、かがやき510号、つるぎ26号、かがやき512号、つるぎ29号です。
東京行きはほぼダイヤ通りに出すようにする一方、つるぎ号はサンダーバード・しらさぎから接続することを優先しているのがよく分かります。
つるぎ26号は16時ちょうどに到着、57分遅れとなりました。
特急しらさぎ55号・特急サンダーバード25号から接続しており、先程のつるぎ24号と同じくらいのお客さんの数。こちらは金沢より先の富山へ向かって発車します。
それにしても特急しらさぎ号のお客さんは、本来遅れ0分だったのが、1時間遅れになってしまいました。
新幹線開業前はこの遅れがなかった訳で、最善の運行方法をしてくださっていると思いますが、特急廃止の弊害と感じざるを得ません。
ご覧の通り、かがやき512号とつるぎ28号の発着順が逆転していました。
かがやき512号は福井駅を出ると、定時運行に復帰します。
こちらでも先ほどと同様、越前たけふ駅でかがやき512号がつるぎ26号を追い抜いていました。
かがやき512号はほぼ定刻通り、福井駅に到着です。
こちらが発車するとすぐに、つるぎ28号到着の放送が流れました。
サンダーバード27号から接続した、つるぎ28号は25分遅れで到着です。
そのまま富山へと向かっていきました。
今回は遅延したサンダーバード号から、北陸新幹線へ接続の様子をご覧いただきました。
特急サンダーバードと新幹線つるぎ号は実質同じ列車のように扱われており、よほどの遅れでなければ接続することが分かりました。サンダーバードが遅れても北陸への足は、安心できると思います。
一方で、これはどうしょうもないことですが特急しらさぎ号から接続のお客さんは、北陸新幹線になったことで接続待ちによる遅れを被ることになりました。
今後はサンダーバード号の情報にも注意した上で、北陸へ向かう必要がありそうです。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。