今の実家に引っ越してきたのは
10歳の秋でした。


それまで大阪の小さな家に
家族川の字(正確にはもう一本多い)
で寝ていた私。

急に部屋がいくつもあって
8畳の自分の部屋まである
家に移った日のことは今でも忘れません。


両親は兄と私に、
それぞれ同じ大きな本棚とタンス
そしてベッドを買い与えました。

当時は、なんでこんなかわいくない
重たいものを買ったんだろう。
自分で選ばせて欲しかった!

散々悪態ついたことも覚えています。

でもそれから20年。
いいものはいいんだ。
全く色褪せることのない
これらの家具たち。

IKEAやニトリがない時代です。

10歳の何にもわからない私に
よくこんなお金の使い方できたな…

まじまじ見るたび、そう思います。


これまでの一人暮らしの家には
大きすぎて連れていけなかったこの子達。

この間、ベッドを新居にまず運びました。
(引っ越し自体は年末の予定です。)

セミダブルのこのベッド。
幼い私にはどこまで転がっても
落ちることのない、魔法のベッドでした。


20年前、このベッドが来たとき
母がこう言いました。


いつかあなたがお嫁にいっても
持っていけるように
セミダブルにしたんだよ。
でもそれにはちょっと小さいかな。


このベッド、大きいよ!
全然小さくなんかないよ?

意味が分からなかった私は
なんで母が 小さいベッド と表現したのか
不思議でたまらなかったのです。


時を経て。ようやく意味が分かりました。
そして、ベッドは新居に、と
真っ先に運び込んだのです。
母はきっと喜ぶに違いない。



二週間後。
母と話をすると、、


あなたの部屋から
ベッドがなくなったのを見ると
ほんとにもう行ってしまうんだと
寂しくなる。

見るのが辛いのでドアをずっと
閉めておこうかな。。。

寂しいもなにも、
すでに私が家を出て12年が経ちます。


その間、この家具たちは
私の留守を守ってくれてたんだ。


連れていくことが
親孝行とばかり思っていた私は
少し動揺してしまいました。


私の判断が良いのかそうでないのか…


振り返る時間はもうありません。



明後日、入籍です。

気持ちは驚くほど穏やかです。
この間、彼と険悪な雰囲気になりました。

理由は、結婚式前夜の過ごし方。


彼のお母さんだけが、前泊して大阪に来ます。

当然、親子水入らずの時間を過ごすものと思っていました。
(私はいない方がいいんじゃないかなぁと)

お母さんから見ると、少なからず、
大切に育ててきた息子が嫁に取られてしまうという感覚だと思うんです。
2人きりで、気兼ねなく過ごせる最後の夜。


彼に、ご飯を食べて、一緒にホテルをとってゆっくり過ごしたら?
と提案しました。ツイン取ればいいやん、と。

でも彼はかたくなに拒否。私と過ごすつもりだったようです。
私はゆっくり、話をしました。

私とは、これから嫌というほど一緒にいれる。
でも、お母さんはそうはいかない。
あなたがよくても、お母さんの気持ちになってみてほしい、と。

分かってくれませんでした。
なぜか、すごく私が寂しくなってしまい…。

彼に「こなつはいつも僕の言うことを聞いてくれない」
といわれるまでに。。。。。

よく分かりませんが、シングル二つとるのはよいそうです。

恥ずかしいの?

と聞くと、そうじゃない、と。

寝るとき、誰かがいると寝られない。

と言い放ちました。


それじゃ、私とも一緒に寝れないね。


と言うと黙ってましたけど。


男の子ってそんなもの?


もやもやして電話を切った次の日。


上司から小さな小包がとどきました。


「大好きな詩を送ります」

と式の返信はがきとともに、詩集が入っていました。



祝婚歌    吉野弘


二人が睦まじくいるためには

愚かでいるほうがいい

立派すぎないほうがいい

立派すぎることは

長持ちしないことだと気付いているほうがいい

完璧をめざさないほうがいい

完璧なんて不自然なことだと

うそぶいているほうがいい

二人のうちどちらかが

ふざけているほうがいい

ずっこけているほうがいい

互いに非難することがあっても

非難できる資格が自分にあったかどうか

あとで

疑わしくなるほうがいい

正しいことを言うときは

少しひかえめにするほうがいい

正しいことを言うときは

相手を傷つけやすいものだと

気付いているほうがいい

立派でありたいとか

正しくありたいとかいう

無理な緊張には

色目を使わず

ゆったり ゆたかに

光を浴びているほうがいい

健康で 風に吹かれながら

生きていることのなつかしさに

ふと 胸が熱くなる

そんな日があってもいい

そして

なぜ胸が熱くなるのか

黙っていても

二人にはわかるのであってほしい





横書きじゃ、何か違いますね。

でも、吉野さんの詩はやさしく、ぐっさりと
私に突き刺さったような気がしました。

きっと、数年前の私じゃ、きちんと
理解できない内容だったと思います。

こんな夫婦になれるかな。
なりたいな。


部長、素敵な詩をありがとうございます。
一度受けてみたいと思いながら
はや5年以上…

会社の健康診断のオプション(自費)で
つけれるとのことだったので、
胸部エコーと女性向けがんマーカーの調査と
お願いしました。

占めて18000円也。


痛い出費…と思いながら、就業時間中にいけるのは
ありがたい。

昔なら、外回りしながら
仕事も兼ねて?
病院で見てもらえたのに、
今はかごの中の鳥。


で、月初に行ってきました。

いざマンモの台に立つと…
足がすくむ。

さぁ、はさみますね~

という流れになったとき
案内してくれている女性があれっ?と。

視線は私の胸元。

私もはっとした。

そう、胸の真ん中を縦断している傷です。

もうしっかりひっついてるんですけどね。
でもやっぱりまだまだ引きつります。

それを忘れてたんですよ。

おっぱいがぺっちゃんこになるということは
周りの皮膚にもそりゃ影響しますわな。。。


ちょっと先生に確認とってきますね。


と出て行ったあと…


今回は見送りましょう。



あぁ、やっぱり…;;

でもちょっとほっとしたり。


…できるようになる日はくるのかな。


ひっぱったのが原因でケロイドに変化しても嫌だしなぁ。。。
(考えすぎ?)


乳がん検診=マンモグラフィっていうイメージだったんですが、
若い人(自分もちゃかり入れてみた)は、向かない検査なんですね。
知らなかった。。


で、検査結果が返ってきました。


総合判定    E  要検査


乳房に少し所見あり
多血症かつ貧血 さらに詳しい検査を要する
肝機能異常
心電図 やや異常



…「所見あり」って何?
  悪いの?悪くないの?



なんか…落ち込んでます(°д°;)


私の身体、大丈夫かな。
引き続きの子宮も心配だし。。。。(子宮は検査してもらえなかったんです)
切迫流産の危険性がある…

とのことで
妊娠発覚後、仕事も休み
(正確には在宅ワークに切り替え。なんて先進的な会社だ…)

GWも遊びにいけず

ようやく出勤までこぎつけた彼女。


そろそろ、久しぶりにみんなで会おうよ!となった。

とってもとってもスレンダーな彼女。
久しぶりに会ったら
少しだけ、おなかが丸くなっている。

大きくなってきたね。

その節は大変だったね。
何にもできなかったけれど、
姿を見れて安心したよ。

大阪で人気のホテルでみんなで
ビュッフェを食べながら
お腹のこどもの話になった。

私たち5人の中では
一番初めの出産になる。

楽しみだね。
名前は考えた?

そんな話をしていると、ふと彼女が呟いた。

「楽しみだけど、ブルーになるねん。
 あぁ、、、もう私の自由な時間はなくなるんや…って。」

それはもう、寂しそうに。
そうか。こどもができるってそういうこと。
周りのお気楽4人を見て、
その感情をつい吐露してしまったんだろう。

浮かれて、色んな話を聞いていた私は
少し反省してしまった。

こどもを産むって
とっても尊いこと。

でもそれと引き換えにしなければ
ならないこともたくさんある。

ママタレが増えて、
なんだかそこではキラキラに映る生活が
披露されてるけれど、
本当はそんなんじゃなくて。
ままごとでもなくて、
生活、なんだ。

彼女が決して母性が少ないのではなく、
その正直な気持ちと向き合おうとしている。


かえって、母になる
強い決意を感じたんだ。

あぁ、こうやって
お母さんになっていくんだ。

お腹の子は幸せだな。



そう感じた週末。
彼のことは好き。

人間的にもとても好き。


だからか、ドキッとかキュン
とかときめきを感じたことは
あんまりないんです。

恋焦がれて
夜眠れなくなったこともない。

すごくそれが不安になって

聞いてみたんです。


「私といて、ドキドキする?」

と。

そしたら相手も

「んー???
ドキドキよりも、ほわーとまったりするよ?」と。


彼も私と一緒なのかな。




恋愛関係という期間を
正しく歩めていないような気がします。


このままでいいのかな。


見つめられたら
ドキドキして、

手をつないだら
その鼓動が伝わっちゃうんじゃないかと
下を向く。



そんな関係を
うらやましく感じるのです。


…少女マンガの読みすぎですかね。。。(読んでないけど)

彼と一緒にいると、
この上ない安定感・安心感を感じます。

それ以上望むのはやっぱりおかしいのかな。
両親の夢だった、へーベルハウスで家を建てるということ。

私は、なんでへーベルなのかはよく分からないが


20年経ってもその思いは弱まるばかりか
むしろ強くなっているみたい。

結局、積水ハイムで建てたのだけれど

長年の夢を私たちが叶えるのも
悪くない、そう思った。


今日、両親と彼と3人で住宅展示場に。

…家を建てるって、

結婚式の非じゃないくらい

お金がかかるのね。。。

こんなちっちゃい家を建てるのに、

こんなちっちゃい土地がこんな値段で

税金だってこんなにかかって

よくわからない登記やらなんやらを

足すと…

そりゃ35年ローンになりますわ。。。


私たちの合計した年収を聞いた営業さんは
目の色変わって
本気で買わせるつもりです。。。

候補にしていた土地さえも
明日にでも
買わせる勢いで…

ふらっと散歩がてらに
土地を見に行ったのが運のつきだったのでしょうか…。


2人それぞれの会社とも社宅制度があるのに
それを使わずに

家を買うというのは

ありなのか、なしなのか…

いやはや結婚式も家も

自分の想像をずば抜けて超えてしまってます。


買わないにしても

いい勉強にはなったかな。