入学後1週間目。
そろそろ新入生たちの 「地」 が芽吹きだす頃である。
教室で借りてきた猫みたいに静かにしていた子たちが、おもむろに深呼吸を始めると、少しずつ空気が揺れ動く。
笑いを取ろうとする子、早くも気の合う友達をみつけてはしゃいでいる子、なんとなく人の間を浮遊している子。
こいつとはなんとかやっていけそうだが、あいつはちょっと無理かも。
あ、あの人、かわいい。でも私も少しは・・・。

まあ、いろんな思いが渦巻いていることだろう。
そんな中で、これはうちのような私立だからだろうが、県立を無念にも落ちてしかたなく来ている子、というのもすくなからずいて、この子たちが自分を取り戻すのがけっこう時間がかかる。

まったくやる気を見せない生徒もいるし、妙に斜にかまえて教師を見ている生徒もいる。
「何が楽しくてそんなに笑っているんだ」といった気持ちで新しい級友をみている子もいる。
そんな子たちがこの学校で息を吹き返すには、何かに集中させて小さな自信を取り戻させることだ。
この仕掛けをどう工夫するか。
そこが担任の腕の見せ所だ。

とはいえ、傷ついた心をすぐに回復させるのは至難の技だ。
クラスの雰囲気づくりがカギだ。
空気が住み心地よく感じられるようになれば、少しは顔のこわばりもなごむというもの。
これから連休までで新学級の 雰囲気 が決まる期間。

さて、私も微力ながら担任に協力していこう。

今日もウィノローグに来ていただきありがとうございました。
中にはすぐに回復する子もいますね。
切り替えの早い子はある意味たくましい。


画像は霧島神宮のさざれ石。
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さざれ石は「細石」と書き、文字通り小さな、細かな石のこと。
でも、それが長い年月でもっと大きな石にかたまっていくこともあるのだとか。

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