かつて東京に住んでいたころはよくFM放送をチェックしていた。
小さなステレオのレシーバーからアンテナを伸ばし、NHK-FMのクラシック番組をカセットデッキに録音することを楽しみにしていた。

宮崎に帰ってきてからというもの、住む家住む家FMの受信状態がよくなく、チェックするのが億劫になっていった。
かわりにビデオにBSのクラシックの番組を録画するようになって、たまったビデオの本数は数百本。
いつか見るだろうと思って飾っているだけで、全然見てないビデオも相当ある。
ま、それでも週末には画像をテレビに映し、音はステレオで鳴らしていた。

が、そのうちステレオのアンプがいかれてしまって、ステレオセットそのものから遠ざかってしまった。
今はテレビのスピーカーから流れる音だけで満足している状態。
CDはもっぱらカーステレオで聴くのが主体となった。
それにCDそのものをほとんど買わなくなってしまい、昔購入したCDを繰り返して聴いている様である。

私の中の音楽が停滞しているこんな状況を少し改善したいと思い、再度FMを聴いてみることにした。
NHK-FMの番組表を見ると、けっこういい放送をしているのである。
FMを受信できて、しかも録音ができる機種がないか探してみた。
そこで見つけたのが、ソニーのICZ-R51というポータブルラジオレコーダーだ。

本体に8GBのメモリが内臓されており、これに90時間近く録音できる。
予約録音も可能、録音した音楽をパソコンに取り込んだり、SDカードに読み出したり、CDを作るのも可能。
しかも生の音もマイクで録音できる。ICレコーダーとしても使えるということだ。
これはなかなか多機能の、今時のラジオではないか。
さっそく購入。
ウィノローグ winologue

肝心のFM電波の受信状態だが、これはテレビのアンテナに本体を接続することでかなりクリアな音で聴くことが出来る。
いまのところこの音質に満足している。

つい先日は、フランスの指揮者ジャン・フルネ-の演奏を特集していた番組があって、そのなかで流れていた曲に思わず聴き入ってしまった。
昔どこかで耳にしたことのある懐かしいメロディーだ。

曲が終わった後のアナウンスで、それがビゼーのオペラ『真珠採り』の中の有名なアリア、「ナディールのロマンス 」という曲だったことを知った。
かつて別れた女性へのせつない思い出を歌った曲で、1953年のモノラル録音ながら哀感せまる歌声に魅せられた。

そうか、FMでこういう曲が流れているのか、これはFMをチェックすることで、新たな世界が広がるかもしれない、と思った。
しかも録音できるならそれに越したことはない。
というわけで、FMの他にも私の好きな番組をいろいろ録音して聴く楽しみが生まれたのだった。


今日もウィノローグに来ていただきありがとうございました。
この機種、使い倒してやるつもりです。