個人的には懐かしいワインである。
東京にいた当時は赤ワインがなかなか飲めなくて(赤が口に合わなかった?)、白ばかり飲んでいた。
もともとワインの世界にほれ込んだのはドイツの白ワインの甘酸っぱさであったから、赤ワインのタンニンのえぐみや苦みがどうも苦手であった。
やがて甘口のドイツの白から辛口のフランスの白に移っていったのは呑兵衛の悲しい性かもしれない。
肴をおいしく食べるには、甘口より辛口である。
当時はよく自家製ブイヤベースを作って、このラトゥールのマコンを合わせていた。
香りのよさと、スムーズな飲み口が心地よかったからである。
そして、先日久しぶりにこれを飲んでみた。
シャルドネらしい鼻の奥に訴えてくる冷涼な刺激、パイナップルや柑橘のかおり、酸のゆたかさ。
やはり、このワインはおいしいと思う。
樽を利かしたがちがちの高級な白にはない、果実のワイルドさが残っていて、それがよいのだ。
大した料理でなくても、まあどんな刺身でも合うし、グラタンなんかもいける。
安い白ワインはこれでなくては。
今日もウィノローグに来ていただきありがとうございました。
6月最初の休肝日です。