かつては、寒い時期ににマスクをしているのはだいたいにおいて風邪を引いている人でした。

でも、今は風邪を引いてない人まで自衛のためにマスクをつけるようになりました。

新型インフルエンザが猛威を振るった一昨年。

その頃からではないでしょうか、マスク姿が一般化したのは。


この前、本校の入試で試験監督をした時、40人の教室にどれだけマスクをしている受験生がいるか数えてみたら、なんと30人ぐらいいる教室もありました。

別の教室では20数名。

マスクしている生徒が全て風邪を引いているわけではありません。

むしろ、風邪の菌が浮遊しているであろう教室の空気から身を守るために装着しているのでしょう。

教室にマスク姿が多いと、マスクをしていない姿の方が珍しいことになってしまいます。


干刈あがたさんの短編に『マスク君』というのがあります。

受験シーズンに母親に同伴されて地方からやってきた男の子。

それと対照的に、北海道から一人で上京して父母の思いを胸に受験に臨む主人公の女の子。

その子が、いつもマスクで顔を隠していて、母親に身の回りを世話してもらっている過保護の少年を見て、絶対負けないという気持ちを持って受験を乗り越えていく、という話。


女の子は、いつもマスクをしている過保護の少年に「マスク君」というあだ名をつけます。

ここでは、マスクで顔を隠す=過保護=未熟な自我、という図式が読み取れます。

マスクは、自立し切れていない少年の象徴です。


たしかに、マスクをしているとその人の表情がよく読み取れなかったりする。

それはマスクをしている側からすれば、自分の本心を隠すことができるということでもあります。

マスクというのはそういう「本心を隠す」という大きな効用を持っているわけです。

これが一般化する、というのはちょっと恐い気もしないではない。


マスクをするのは私自身は苦手です。

表情を隠したいという欲求はないし、なによりもマスクを装着していると空気の通りが悪いし、臭くなるのが嫌なのです。

今までも風邪を引いても滅多にマスクをしてはいませんでした。

ところが、昨日病院に行って診察を受け、インフルの検査をした後、「マスクをしてください」とマスクを手渡され、院内でもあるし断りきれるものでもないし、素直にマスクをして検査結果を待つことに。。。。

「ついにマスク君の仲間入りか」と軽くため息が。


インフル検査の結果が陰性と出て気分も少し晴れたのですが、病院を出るまではマスクを装着。

自宅に帰ってすぐにマスクを取りました。

ああ、解放感!

やっぱりマスクはしないに限る!


風邪やインフルの人が回りに迷惑をかけないようにマスクをするのはエチケットとして大切なことでしょう。

また自衛のためのマスクも必要でしょう。

しかし、マスク姿があまりに多くなって、マスクをしているのが当たり前の世界になったら、これも先に言った意味で恐い。


これからは花粉も飛び始めます。

風邪、インフル、花粉。

マスク姿はますます増殖していくのか。


●渋谷駅前交差点
ウィノローグ winologue

昨年の今頃、マークシティのホテルから。

マスク姿がこの時どれぐらいいたのだろうか。


今日もウィノローグに来ていただきありがとうございました。

今日は一日休養していました。

明日は復帰できそうです。