天下り。

公的機関で定年、あるいは定年近くまで勤め上げた方が、その後、再就職先に民間企業にお見えになること。


お見えになるだけならまだしも、そのお方を民間企業の経営に携わる重要ポストに据え、向こう数年しか在籍しないであろうそのお方が、その民間企業の経営方針をお決めになる。


数年後、そのお方が退任されてまた別のお方が同じポジションでお見えになる。

そして前任のお方とは違う方向にその企業を向かわせようとなさる。


そのたびに、生粋のその企業の下々の者たちは、自分の会社の行き先があっちへぶれ、こっちへぶれするので困惑し、疑心が暗鬼を生じ、戦意は喪失し、結果的にその会社が傾き始める。


腰掛で数年しかいないご老体さんたちが、その会社で働き、生活を成り立たせ、まだまだあと20年も30年も働かねばならない生え抜きの社員たちの運命を握る。

ご老体たちが去った後の混迷した現場で辛い目を舐めさせられるのはいつも下々の者たち。


なんとか会社を立て直した頃に、また民間企業のノウハウを知らない天下りさんが、彼の狭い経験の範囲でしか判断できていない無理難題を、現場に押し付ける。

そしてまた下々の忍従の日々が始まる。


こういう非生産的な経営をしている会社には、これまた世間知らずなオーナーがいてとっかえひっかえ天下りさんを使って現場を困らせるのである。


こういうグチを、例の、ネットの接続制限が入った会社(10月21日の記事 )の友人がしてくれました。

よく天下り役人が来てそれまでの慣行をないがしろにして、中間管理職にいる彼は、天下りさんと生え抜きの下々さんたちとの間にはさまって、かなり苦労をしているといいます。

先日も散々そういう話を聞かされました。


いやあ、天下りって、恐ろしいものだとつくづく思いました。

役所に顔が利くというメリットよりも、社員の士気を減じさせるデメリットの方が大きいように思うのですが、一番トップにいる人間がそれに気づいてないのでしょうか。

ネット制限といい、天下りといい、彼の口癖である「いやんなっちゃうよ」が切実に聞こえたのでした。


今日もウィノローグに来ていただきありがとうございました。

民よりも官。まだまだお上は怖いようです。