戸高美穂さんの第二回フルートコンサート。

会場は宮崎市民プラザ オルブライトホール。


【プログラム】

①バッハ  

  ソナタ ホ長調 BMV1035
②ボザ

  イタリア風幻想曲
③ムチンスキー

  フルートとピアノのためのソナタop.14

  (休憩)


④タクタキシビリ 

  フルートとピアノのためのソナタ
⑤タファネル

   オペラ「ミニョン」の主題によるグランドファンタジー


 (アンコール)

・アルルの女

・赤とんぼ


3年前に第1回のコンサートが県立芸術劇場でありました。

その時はまだウィーン留学中の中、故郷に錦を飾る的な、初々しい感じで素直な音色に酔ったコンサートでした。

今回は昨年宮崎に帰って来てから初めて開くコンサートで、前回とは違って、堂々とした音色に満ち溢れたコンサートでした。


①は無難な感じというより、緊張していたかな。ゆったりとした曲を丁寧に吹いていく端正な曲づくりがうかがえました。

②あたりから落ち着いてきて、非常に色彩豊かな曲をすばらしい音色で聴かせました。イタリアの街角が目に浮かぶ感じ。

③はジャズ風の曲。アメリカの作曲家の曲のせいか、なんとなくバーンスタインのウエストサイド・ストーリーを髣髴させる箇所もあって、②とはまったく違った演奏技術を披露。特に第3楽章の深く沈むような音は気迫がありました。


休憩後は、すごく調子が出てきたみたいで、もう縦横無尽に戸高美穂の世界。

④は難度の高い曲であろうと思いますが、2楽章のModerato con motoは聴かせました。朗々と詠う旋律に魅せられました。すごくいい曲ですね。

⑤は1曲の中で次々に曲調が変わり、演奏法も変わる曲を軽々と吹いていく彼女の腕にただただ感服。フィナーレの盛り上がり。 実に美しい!


いやあ、久しぶりに心洗われる思いに満たされたコンサートでした。

およそ90分ぐらい吹きまくる体力も相当なものでしょう。


アンコールでの『アルルの女』。

大袈裟かもしれないけど、これほど格好よく洗練された『アルルの女』の演奏は聴いたことがないぐらい。本場の人もびっくりするんじゃないの。

うってかわって『赤とんぼ』は和の情緒たっぷり。

アンコールで和と洋をちゃんと吹き分けられるのも、彼女のすごさやなあ。。。。


ピアノ伴奏をしてくれた本田奈留美さんとの息もピッタリ。

『タファネル』など、ご本人のブログの言葉を借りれば


「この難曲揃いのプログラムを見れば、いかに実力があるか分かりますね~♪
ピアノパートもものすごく難しいんです…
早いテンポの所では、瞬きをすると音を見失ったり、指がつりそうになるし・・・」


ということで、伴奏も大変なんですよね。

しかし、ピアノがでしゃばるわけでもなく、きちんとフルートをしっかり支えてくれてなおかつ存在感のある演奏でした。

これもすばらしい。


これほどのすぐれた人材が宮崎にはいるんですよね。

貴重な2時間を過ごさせてもらって、お二人には感謝、感謝。

芸術の秋、豊饒の一夜でした。


今日もウィノローグに来ていただきありがとうございました。

下の写真は舞台から挨拶をする戸高さん。
ウィノローグ winologue