かれこれ二ヶ月ぐらい赤ワインを飲んでいない気がします。

だからどうした、と言われればそれまでなんですが、やはりワイン好きとしては赤ワインを飲まないでいるのは、血が騒ぐというか、飢えるというか、禁断症状のようなものがそろそろ出てきそうです。


真夏の夜の冷房の利いた部屋で飲むには、やはり体が昼の暑さにまいっているせいか、赤は少しく辛い。

白かスパークリングで酸を体に流し込みながら、ひんやりとした料理をつまむのが精神的にもよさそうに思えます。

ベリーや腐葉土やタバコやすみれやモカの折りたたまれた赤の香りは、やはり涼しくなってからの方が体にぴったりときそうです。


「夏は白かスパークリング」と決めつけてしまうのもいけませんが、赤には赤が映える気候というのがありそうに思えます。

もっとも、ワイン会などすればやはり泡→白→赤と進んでいって、泡は1本、白も1本か2本、赤のところで数本飲むのが常態だから、真夏の夜にワイン会をやればやはり赤が主役になるでしょうね。

ただそんなワイン会を今年の夏はしなかっただけ、ということなんですけど。


さて、先週から涼しくなってきたので、またぞろ体に「赤信号」が点り始めています。

ではどのワインを飲もうかと思案すると、最近はカベルネやシラーなどよりもまずはピノ・ノワールが頭に浮かびます。

きれいな酸があって、軽やかな色調で果実の香りが元気に香ってくるイメージ。

ひと口飲めば、スゥーッとお腹に心地よく流れてゆく赤い果実。

まだ秋口だからでしょう、ピノ・ノワールが恋しくて。


そういえば、昨年の真夏の夜に、アラフォーさんたちの同窓会に招かれてあけたジャン・ジャック・コンフュロンのシャンボール・ミュズニー2004はうまかった。

一流の作り手の手になる上質なワインの心地よさに、真夏の夜ではあったけれど、うっとりしたものでした。

ボルドーでなかったのがよかった。

シャンボール・ミュズニーだからよかった。

やはり夏のワインは、赤でも酸が心地よく身に染みるものがいい。


そんな経験を思い出すと、赤を飲みたい気持ちがいてもたってもいられなくなる。

この秋の最初の赤は何を飲もうか。

赤のシーズン開幕にふさわしいワインをちょこっと探してみようと思います。

飲む時もさることながら、飲む前にあれこれ考える。

これもワインの楽しみ方の一つですね。


今日もウィノローグに来ていただきありがとうございました。

シャンボール・ミュズニーの画像はこれ。

ジャン・ジャック・コンフュロンはいい。
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