うちの近くの某Yストアは夜の10時まで開いている、ありがたい地元の生活密着スーパーなのであります。

夜の7時、8時にもなると、鮮度が勝負の刺身など、夕方の価格の半額で売ってくれるので、それを目当てに刺身を買いに寄ることもしばしばあります。

夕方5時に買って8時に食べる同じ刺身が、7時30分に買えば半額ならやはり7時30分に買いますよね。

生活防衛なんて大それた言葉は使わないけれど、まあ、安ければ安い方がいいというのが人情ですから。


さて、そのスーパーで、夕方5時の時点ですでに半額となっている商品もあります。

その代表的なものが「きびなご」ですね。

「きびなご」はいわしに似た魚で、独特の青みがかった体が特徴的です。

お隣の鹿児島では、この人の指よりも小さな魚を、頭を落として内臓を出して、指で割いて裏返しにした刺身を大皿にずらっと並べて、酢味噌で食べる郷土料理 があります。

焼酎にもよくマッチしておいしい魚なんです。


その「きびなご」がこのYスーパーでは、なぜかしらんが、昼間から半額で出ているわけです。

ちまちました魚だし、一匹一匹内臓を出さないと美味しく食べられないので、調理に手間ひまかけなくてはならないのが多分に主婦に嫌われているのでしょう。

誰も買わないのです。


昨日、正価で出されていた「きびなご」1パック288円。

それが今日はもう半額。

青魚だから鮮度が命とはいえ、あまりに急激に値段を下げすぎる、あわれ「きびなご」。

昨日の正価で出ていたパックの数は5個。

それが1パックも売れず、今日は5個まるごと半額。

ああ、それでもそれでも、半額でも売れ残ったらきっと明日は残飯として処分される。

ああ、あわれ「きびなご」。

誰からも食べられないで、ゴミとして廃棄されるかわいそうな「きびなご」!

せっかく、人間さまに食べられるために生まれてきたのに!


というわけで運命の切なさが身にしみる「半額きびなご」なのであります。

この運命に同情しきりのかみさんは、「半額きびなご」パックが出ているたびに心を切り裂かれ、ついつい哀れむように買ってしまうのであります。

おかげで、我が家の冷凍庫には「半額きびなご」パックがひしめいております。

土日に時間がある時、かみさんは解凍した一匹一匹の頭をいとおしむように切り、内臓を捨て、カラリと素揚げにしてくれます。

これにカボスを絞って食べると、実にうまい!

「半額きびなご」もこれで迷わず成仏してくれるのではないかと思います。


あわれ「きびなご」、されど「きびなご」。

我が家の「半額きびなご」は、家計の大きな味方でもあります。



今日もウィノローグにきていただきありがとうございます。

スーパーの売れ残り半額品に幸あれと祈ります。