毎年1月2日はラグビーの大学選手権の準決勝の日。
今年は3連覇を目指した早稲田が2回戦で敗退。
準決勝は第一試合が慶応vs東海、第二試合が明治vs帝京という組み合わせです。
もちろん、慶応が勝って決勝進出を願うばかりでした。
東海大学はリーグ戦を3連覇、無敗でここまで勝ち上がってきたチーム。
一方の慶応は対抗戦での優勝のチャンスがありながら2位でした。
大きなフォワードを要する東海に、慶応がどう挑むのか。
私としてはバックスでの勝負に活路を求めるしかないと思っておりました。
さて、試合が始まると、予想通り東海のフォワードの前に慶応は防戦一方。
攻める機会がまったくといってないほど自陣での攻防が続き、ディフェンスでなんとかしのいでいたが、フォワードの圧力に負けて2トライ献上。
対する慶応は無得点、0対12で前半終了。
後半は果敢にバックスで勝負に出るがなかなかゲインを切れず、逆に東海のカウンターに遭って、防御の裏を突かれてトライされ、0対19。
この時点で今日は勝利は難しいかも、と思いました。
後半の後半、試合開始から60分を過ぎてようやく慶応のリズムが出てきて、フォワード№4立石君が相手のタックルをかわして初トライ。7対19。
これで勢いが出てきて、ラインアウトからスクラムを押し込み、№8小澤君が飛び込み2トライ目。14対19。
残り10分、逆転できるかも!
その後、攻め続けるが決定力を欠いてとうとうノーサイド。
決勝進出はできませんでした。残念。
敗因はいくつかあるでしょうが私の見たところでは次の三つが大きかった。
第一に攻めの形に迷いがあった。バックスが球を持った時、まわすのか蹴るのか。
そこの選択に意思の統一がなされてなかったように思えた。
第二にスタミナの問題。前半の東海の圧力に消耗していたのだろうけど、後半は密集への働きかけがみるみる落ちていった。
スクラムハーフとフォワードの集散が遅く、チャンスのボールを東海にターンオーバーされることもしばしば。
ハーフを代えた後半の後半からはリズムが出てきて、それが2トライにつながった。
もっと早く、元気のいい選手を使うとよかったかもしれない。
第三にキックの意味が不明瞭だったこと。漫然と蹴るのではなく、アップ&アンダーで攻撃できる位置に落とすとか、タッチを切るとか、相手ディフェンスの裏にちょん蹴りするとか、ハーフやスタンドオフの戦法に工夫がほしかった。
不利といわれたフォワードはスクラム、ラインアウトともよく健闘したと思う。
東海ラインアウトのボールもけっこう奪っていたので、そこからリズムある攻撃につながらなかったのが残念でした。
さて、試合後の監督・林雅人さんのコメント が印象深かったので紹介します。
「選手は1年間頑張ってくれました。勝つために低いラグビーと、プレッシャーをかけるラグビーをやろうと、持って生まれたものではなく、努力で取り組んできてくれましたが、志半ばで去るのは、正直残念です。選手は本当によくやってくれました」
「持って生まれたものではなく、努力で取り組んできてくれました」というところに、監督の選手への愛情がにじみ出ていると思います。
「努力は不可能を可能にする」という、慶応塾長・小泉信三氏の言葉に通じるところがあります。
来年の巻き返しを期待して、選手のみなさんには「ご苦労さま」と声をかけたいです。
準決勝勝利と優勝を願ってキープしていたスパークリングワインとシャンパンはしばらく熟成させることになりました。
今秋、美酒となりますように!
今日もウィノローグに来てここまで読んでいただき、ありがとうございます。
センターまであと2週間。努力せよ。全ては開かれん。
がんばれ、受験生!