オープンスクール秋の陣。
昨年並みの中学生が来てくれた。
夏も来て今回も来てくれる子どもたちは、うちに入学したい意志が強い子たちである。
「ちゃんと入学してくれるように、がっちり子どもたちの心を捉える授業をしてください」との校長のお達しあり。
市内の県立校が軒並み40名の定員増をはかる来年度は私立にとっては厳しい戦いの入試戦線になるので、みな気合い入れて今日を迎えた。
私の仕事は保護者への普通科の内容説明。
本来は普通科主任の仕事だが、なぜか学科主任は「今回は説明の仕事をしないで、準備段階での差配をするのです」(生徒募集部の話)ということなんだそうな。
オープンスクールの行事が始まってから学科主任を見ていたけど、ヒマそうなんだけどなあ。
しかし、仕事の分担はもう決まっているので今さら変えようもない。
30名ほどの保護者を相手に普通科の説明をする。
本校の場合は、普通科といっても県立のように国公立大学目指して「みんなでやろうぜ」(某政党総裁風)というわけにはいかない。
それぞれ「個性豊かな」生徒たちゆえに、それに合わせてコースも4種類ぐらい用意して、カリキュラムも独自色の強いものとなっていることを”説明する。
終わってから詳細を聞きたい保護者の方とお話をする。
その方のお話。
「市内の某私立にやることも考えてはいるが、こちらの学校は生徒指導が行き届いていますよね。
中学校の先輩が今、こちらで学んでいますが、楽しい、生徒指導がしっかりしているとおっしゃってます」とのこと。
率直に私たちにとってうれしい言葉であります。
「礼節」と「勤労」のもとに、生徒指導は昔から厳しいという評判であるからね。
もちろん「厳しい生徒指導」を嫌って「緩い生徒指導」の学校を選ぶ生徒もいる。
しかし、生徒指導のきっちりしている学校に子どもをやりたい、と考える保護者は多い。
生徒指導の厳しさの受け止め方が保護者と生徒では異なることも多く、子どもに甘くなって「緩い学校」に出す道を選択される保護者もいる。
しかし、厳しい学校と緩い学校と、長い目で見た場合、どちらが生徒にとって幸せだろうか。
たとえば言葉遣い、制服の着こなし、容姿、授業態度、交通ルールなどをしつけることはとても大切なことだ。
懲戒対象になる行為(喫煙、飲酒、不良交友、いじめなど)にはもちろん厳しく対応するわけだが、本来の生徒指導は懲戒の対象にならないような、上記のような普段の生活面での指導が中心である。
社会に出た時に、社会のルールを知らないで恥をかくようなことをさせたくない。
だから、日頃の学校生活での小さな場面での、小さなことをきちんと指導する。
この指導がいい加減になると、学校は崩れだす。
そういう姿勢で多くの教師が一致して指導している。
そこが評価されているのはうれしい。
ただ、その評価はうれしいが、それが生徒増に即結びつくかというと、それが微妙。
悩ましいところではある。