たまには、ワインのことでも。
あんなに暑かった今年の夏もようやく去っていき、はや朝夕は秋の気配が日増しに感じられつつある。
疲れた体に「喝!」を与えるワインはないものかと、パリ16区 にワイン探しに行く。
夏と秋の行きかふ空の通ひ路にはかたへ涼しき風や吹くらん 紀貫之
季節が移ろう「通ひ路」の頃には、やはりそれなりのワインがいい。
爽やかな柑橘系の白でもなく、濃厚なベリー系の赤でもなく、こんな季節にはロゼがいい。
ロゼのおいしいやつ。
秋に向かう今は、色調は明るすぎるのよりも落ち着いた色合いのものがいい。
ということで、お店でめぐりあったのが、メルシャンが出している「ももいろメルロー 」であった。
メルローを発酵させる段階でセニエした果汁に、マスカット・ベリーAを加えて造ったワインらしい。
はしゃいだところのない、落ち着いた色調を湛えたロゼで、初秋を感じさせる今の空気にも合いそうだ。
さっそく体育大会でほてった体にしみこませてみた。
すっきりとしていて、ほんのり甘みのある液体が、慈愛深く喉をすべってゆく。
ささやかな渋みと、マスカット・ベリーAのはちみつのニュアンスをもった香りがなかなかよい。
すごく素敵なロゼですね。
10月頃までの気候にもぴったりするようなワインであろうと思う。
これで、1500円ぐらいだから、掘り出し物と思えるが、いかがだろうか?