9月のテーマは会社と自分の関係を考えていきます。

 

現在、会社や官公庁や団体等に勤めているいわゆる「雇われる」形で働く人は約8割だそうです。

今の会社は自分にとって良い環境ですか。「こうだったらいいのに」ということが少なからずあるんじゃないでしょうか。きっと皆さん自身も会社に人生を捧げているわけではなく、きっかけさえあれば転職することがあっても良いと考えているかもしれません。

 

では、逆に会社にとってあなたは魅力的な人材だと思いますか。

会社の規模の大小に関わらず、自分は会社にとって有益な人でしょうか。

今皆さんが雇用されている会社にとっての魅力という意味ではなく、例えば自分が社長だったら、自分を雇いたいと思うかどうか、という視点で考えてみてください。

 

キャリアの専門用語と言ってよいのかわかりませんが、エンプロイアビリティ(雇用されうる力)という考え方があります。

①知識・技能 ②思考特性・行動特性 ③価値観・人柄 

この3つの能力が高い人はエンプロイアビリティが高い=会社にとって魅力的であると考えます。

言い換えたら、社会人としての知識や技能が高く、自律的な思考で行動ができ、会社の中で協調性をもって働ける人は、会社が雇いたいと思うという感じでしょうか。

 

知識や技能は、必要なものが働く会社によって様々ありますが、自律的な思考での行動は、どんな環境でも大切なことです。会社で与えられた業務の中で、言われた作業だけをやる、というのは自律的な行動ではないでしょう。かといって、自分のことだけはやるけれど、会社の他の人のことは知らないというのでは協調性がありません。

 

あくまで会社は一人ではない集合体だということは意識すべきことかなと思いました。自分が一人で仕事をしているのではなく、沢山の人がそれぞれの役割をきちんと遂行して、仕事は成り立っています。それはどんな仕事でも言えることですし、会社の中だけでなく、会社という枠を超えて社会に繋がっていきます。

 

自分が今どんな立ち位置で役割を担っていて、この仕事のどんな部分を支えているのか考えてみる、それが自律的な思考の第一歩になると思います。

 

そう考えると会社や自分が違う形に見えてきませんか。

 

先日、こんな声を耳にしました。

「営業職は金を生む人材だからいいが、事務職は給料泥棒みたいなものだ」

他にも、

「営業成績が良くなければ、会議での発言権は得られない」

「営業数字を持たない人に何を言われても、説得力がない」

言葉通り、営業職の方々の率直な声だったのですが、皆さんはどう思うでしょうか。

 

営業と一言でいっても形は会社ごと違いますし、様々な体制があることでしょう。言葉を発した方の経験年数もまちまち、置かれた立場もそれぞれです。

 

そんな言葉だけでは見えない様々な背景がある中で、このフレーズだけを取り上げて、否定も肯定もできない、という前提はあります。

言葉だけで見れば強く偏ったイメージで反論したくなりますが、そう発言をした本人のモチベーションにしていることも考えられます。営業成績を上げれば、自分ももっと認められるようになるに違いない、という思いが根底にあるのかもしれません。

 

当然のことですが、営業だけで仕事が回る訳ではありません。そこで思い出してほしいのが、あくまで会社は集合体ということ。

営業も単なる一つの役割です。

また、今は多くの企業が人手不足ですから、営業だけに徹することが出来る人も多くはないと思いますが、それでも自分は何かしら1つの役割を担っているだけに過ぎないです。

営業から事務職へ異動することもあるでしょう。そうなったら、途端にお金を生まない人材だから役立たずになる、ということではありませんよね。皆さんが自分の役割をきちんとこなすことで、業務は進んでいき、いろんな形が出来上がっていくものだと思います。

 

営業成績が良いこと、営業数字(利益)が高いこと、それは見えた結果であって、その数字を出せる能力、仕事の仕方、仕事価値観などの能力の高さが営業成績という結果になっているからこその発言力、周りの人から認められる存在になっているのでしょう。

 

会社に雇われているという形は受け身に感じますが、自分がこの会社で何を担っているのか、主体的に考えて会社にも自分にもプラスになるように働けたらいいですね。