7冊目 メディアマーケティング進化論 | コミュニケーション修験道、ここが入口。~読書漬だよ、1週間。~

7冊目 メディアマーケティング進化論

メディア・マーケティング進化論 (PHP BUSINESS HARDCOVER)/岸本 義之

¥2,625
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広告業界ではないコンサルの方が
変化する広告・マーケティングコミュニケーションの今が
描かれた本です。

『広告などの費用に関しては「投資対効果」は測定しにくいが、
 戦略的に必要なので資金が必要』
なんていう方便はもはや通じないよね、
マーケティングROIって大事だよね、ちゃんと考えようね、
という主張から、事業会社がどう現状に向き合うべきかまで、
筆者の考えを述べた本です。

顧客生涯価値の定量化し試算して
マーケティングのもたらす効果について考察したり、
パーチェス・ファネルを細かい要素に分解し
それぞれの要素に対して施策を投じていく、
その予算配分の話など、
興味深く読むことができました。

本書ではパーチェス・ファネルを下記のように分解しています。
①広告認知
②親近感
③好意的意見
④購買考慮
⑤購買意図
⑥市場シェア

そして、マーケティングROIをどう改善すべきかが
本書のテーマでもありますが、
・効果改善
・効率改善
の2方向で考える必要があると述べます。

→効果の改善とは、
マーケティングファネルの
どこの要素に予算を投下するか
の最適化を行います。

→効率の改善とは、
同じ施策を行う場合でも原価を安くすることで
投資大綱化を高めます。

個人的には効率の改善について、
サプライヤーを常に競争にかけ、詰めることで効率をあげよう、
という主張がなされているのが気になりました。

かなり無理で強引なお願いをシタレ顔で下請けに行う
事業会社、代理店、その他中間搾取会社が多いことを考えると、
「無理が利く」会社に危機が訪れた場合、
案件自体の確実な実施が困難になる場合が少し怖いです。

相見積もりをとり、新たなサプライヤーとの取引を想定したとして、
ツツガナク現場が回るようになるためには
相応の信頼関係を築かねばなりませんので、
それなりの時間がかかることは見越しておいた方がいいんだろうなぁ
なんて現場にいた無職は思っています。

サプライヤーの集中と選択を行っている企業様も
いくつか身近で見ていますが、
数少ないサンプルを見る限りは、
現場は混乱していそうかな、
という例が散見される印象を持っています。
一過性の混乱であればよいのですが。。。

全体としては事業会社サイドの視点でここまで書かれた本も
他にあまり無いと思いますので、
何となく「~な施策で効果を最大化!」とか企画書に
書いてしまう方は特に是非一読をオススメです。