「エリ・エリ・レマ・サバクタニ」
「28日後・・・」という映画がありますが、観た事はありません。
とても面白くないようなので、今となっては観る気も無いのですが覚えているのは
誰もいないロンドンの街並みを撮る事に成功した、というその一点。
「TOKYO NOBODY」という写真集があります。
その名の通り、誰もいない東京の街並みを撮ることに成功した写真集です。
早朝の写真が多いのですが、その写真の持つ倦怠感は素晴らしいです。
この「エリ・エリ・レマ・サバクタニ」はそれらと同種の荒廃感を味わいたく観ました。
伊坂幸太郎の「オーデュボンの祈り」「魔王」「終末のフール」にも流れる無人の印象を補完してくれます。
色々と引き合いを出すことはできますが
この映画の大きな側面である『音』に関しては佐々木敦さんの「(H)EAR」で十分ですし
この人以上に何かを言うことは不可能です。
願わくば『映画』の方の批評も読んでみたい、また中原昌也自身がおそらく何か言っているはずなので
探してみようと思っています。
真昼の異常な鮮明さ(後半の浅野忠信の演奏シーン)と、
逆に霞んだ砂漠(前半の浅野忠信と中原昌也が音集めをするシーン)のコントラストは
意識の中に酩酊を引き起こします。
また引き合いですが、村上春樹の「羊をめぐる冒険」での
主人公と羊男との会話がなされるシーン。
あの山小屋なり、空間なりを描くならば、この映画でも代替となり得るか。
最後に引き合いに出しますのは是枝裕和の「ワンダフル・ライフ」。
あんまりこの映画は内容が好きではなかったのですが今、もう一度観たいです。
この作品の風景全てが私の気に入っているものにつながっている作品でした。
