だからトンネルがこんなに多いんだ、とガキの頃に親からそう教わった。

「約三十の嘘」を観に行き、映画と切り離した後でも自分がCRAZY KEN BANDを自発的に聴きたい体になっていることをはっきり認識する。

とても1年前ならCKBをわざわざ聴こうなんて思わなかっただろうし、剣さんの歌声を「くどい、エロい、渋すぎ」で片付けていた。それが今、CKBは聴いていて楽しいとしか思えないグッド・ミュージックに変わっている。

人の好みは変わるものというが、その好みのグラフが緩やかな曲線を描きながら、各々の点(電子音楽、ヒップホップ、プログレ、ブルース、NYパンク、ジャズ・・・)を経ている様子は、まるで駅と駅とを繋ぐ線路のようだ。


肝心の映画もグッド・フィルム。寝台列車に乗りたい。夜行列車ではなく「寝台」。豪華なやつ。

役者の芝居が「映画」というよりは「舞台」という感じだった。特に田辺誠一と八嶋智人。「トワイライトエクスプレスを舞台に繰り広げられる・・・」なんて文句がそのままズバリで楽しかった。

妻夫木聡は鼻の絆創膏なんかより真っ青なコートがずっと気になった。

映画の外見からの感想はこんな感じ。