美容室が苦手だ。
ほとばしるおしゃれ空間オーラは怖い。
美容師との会話はきまって弾まず、非常に億劫。
それでも髪は伸びる。ワサワサと伸びてすぐにモサモサになる。
年末の時点で危ない状態だったのにも関わらずタイミングを逃し
そこからずるずると一ヶ月間さらに伸ばし続けさらにモサモサに。
視界も悪いしくすぐったくて邪魔だし人としてどうかと思うレベルになってきたし…
ってことで重い重い腰を上げて行ってきた。
いつも行くお店よりも値段が割安で尚且つ良いお店があるよと紹介されたので
たまには違うお店に行ってみるか!節約にもなるし!と考えそちらに向かってみる。
簡易な地図によると最寄り駅から徒歩1分との表記だったのですぐわかるだろうと思ったが
迷う。ひたすら迷う。明らかに違う方向を1分以上進み戻り別の道を進み戻り…。
疲れて近くのショッピングセンターのトイレの個室でうなだれる。
うなだれつつバッチリ用も足して店外に出たその視界の先に普通に目的地発見。安堵。
が、想像していたより遥かにオシャレ感ビシバシというかオーラビンビンというか
とにかくオリンピック級のハードルの高い綺麗な外装内装を目の当たりにして足踏み。
…その場で5分程悩んだ結果、携帯電話を取り出し、いつものお店に予約の電話を入れた。
逃げた。人生に必要以上の冒険は必要ない。素敵な美容室を一件知っていればそれでいい。
ということにしておく…。
だが、何年もお世話になっているお店だからといっても気が休まるなんてことはない。
こちらのお店も毎回毎回入店するまでに若干の足踏みを強いられる。深呼吸を繰り返す。
入店さえしてしまえばどれだけオシャレ空間であろうと見慣れた光景ではあるので
平静を取り戻してある程度ドッシリ構えて話すことは可能になる。
といってもやっぱり会話は弾まないけど。なんか、続かない。
適当なファッション誌を手にとって同じところをひたすら読む。
正確には眺める。緊張感から気をそらすためだけの行為であって、内容など頭には入らない。
そんな僕にも救いの女神はいて、女性店員の一人とは普通に音楽の話で盛り上がれる。
レディヘがどうたら、スーパーカーがどうたら、サマソニがどうたら、それだけでもパラダイス。
だったら予約の時に担当をその人に指名しちゃえばいいじゃん
って話になるんだけど、それもなんか恥ずかしくて出来ない。
いっちょまえに指名とかしてんじゃねえぞボンクラ野郎、みたいな自責の念が体内を渦巻く。
あっ、えっと、担当希望は、特にないです、ええ、カットで、はは…。とか言っちゃう。
自分の酷いチキンハートにウンザリガックリ。
当たり障りのないその場凌ぎの会話を繰り返し
視点が定まらないまま雑誌を見つめている間に、モサモサの髪の毛は驚くほどスッキリ。
空気にはいつまでたっても慣れないけど腕は確かだしサービスも素晴らしいので
胃を痛めながら結局は次回も通ってしまう。そんなこんなでもう数年だ。
人生に必要以上の冒険は必要ない。素敵な美容室を一件知っていればそれでいい。
ただ、願わくば、髪の毛よ、伸びるな。このままでいてくれ。頼む。
ほとばしるおしゃれ空間オーラは怖い。
美容師との会話はきまって弾まず、非常に億劫。
それでも髪は伸びる。ワサワサと伸びてすぐにモサモサになる。
年末の時点で危ない状態だったのにも関わらずタイミングを逃し
そこからずるずると一ヶ月間さらに伸ばし続けさらにモサモサに。
視界も悪いしくすぐったくて邪魔だし人としてどうかと思うレベルになってきたし…
ってことで重い重い腰を上げて行ってきた。
いつも行くお店よりも値段が割安で尚且つ良いお店があるよと紹介されたので
たまには違うお店に行ってみるか!節約にもなるし!と考えそちらに向かってみる。
簡易な地図によると最寄り駅から徒歩1分との表記だったのですぐわかるだろうと思ったが
迷う。ひたすら迷う。明らかに違う方向を1分以上進み戻り別の道を進み戻り…。
疲れて近くのショッピングセンターのトイレの個室でうなだれる。
うなだれつつバッチリ用も足して店外に出たその視界の先に普通に目的地発見。安堵。
が、想像していたより遥かにオシャレ感ビシバシというかオーラビンビンというか
とにかくオリンピック級のハードルの高い綺麗な外装内装を目の当たりにして足踏み。
…その場で5分程悩んだ結果、携帯電話を取り出し、いつものお店に予約の電話を入れた。
逃げた。人生に必要以上の冒険は必要ない。素敵な美容室を一件知っていればそれでいい。
ということにしておく…。
だが、何年もお世話になっているお店だからといっても気が休まるなんてことはない。
こちらのお店も毎回毎回入店するまでに若干の足踏みを強いられる。深呼吸を繰り返す。
入店さえしてしまえばどれだけオシャレ空間であろうと見慣れた光景ではあるので
平静を取り戻してある程度ドッシリ構えて話すことは可能になる。
といってもやっぱり会話は弾まないけど。なんか、続かない。
適当なファッション誌を手にとって同じところをひたすら読む。
正確には眺める。緊張感から気をそらすためだけの行為であって、内容など頭には入らない。
そんな僕にも救いの女神はいて、女性店員の一人とは普通に音楽の話で盛り上がれる。
レディヘがどうたら、スーパーカーがどうたら、サマソニがどうたら、それだけでもパラダイス。
だったら予約の時に担当をその人に指名しちゃえばいいじゃん
って話になるんだけど、それもなんか恥ずかしくて出来ない。
いっちょまえに指名とかしてんじゃねえぞボンクラ野郎、みたいな自責の念が体内を渦巻く。
あっ、えっと、担当希望は、特にないです、ええ、カットで、はは…。とか言っちゃう。
自分の酷いチキンハートにウンザリガックリ。
当たり障りのないその場凌ぎの会話を繰り返し
視点が定まらないまま雑誌を見つめている間に、モサモサの髪の毛は驚くほどスッキリ。
空気にはいつまでたっても慣れないけど腕は確かだしサービスも素晴らしいので
胃を痛めながら結局は次回も通ってしまう。そんなこんなでもう数年だ。
人生に必要以上の冒険は必要ない。素敵な美容室を一件知っていればそれでいい。
ただ、願わくば、髪の毛よ、伸びるな。このままでいてくれ。頼む。