法律論と感覚 | 実践女子大学虚偽告訴事件 本人訴訟

法律論と感覚

下記に赤字で示したが、裁判官は事実誤認をしてしまう。


前裁判でも、中学の教員の証言より、実践女子大学の教授の虚偽の陳述書

採用したのである。


しかしながら、裁判所は遡って事実誤認をした裁判官と話し合うわけでないし、

責任をとるわけでもない。日本の司法制度上・上訴により是正するしかないのである。



「検察側と弁護側、双方の冒頭陳述で心証が取れました」「証拠調べは無駄ですよね。やらなくていいんじゃないですか」

 東京地裁の合田悦三(よしみつ)判事(52)は最高裁刑事局から現場に戻った後の05年、男性が刺された殺人未遂事件の模擬裁判を見て、裁判員2人の発言にショックを受けた。冒頭陳述は、立証しようとする内容の説明に過ぎない。しかし、すぐに裁判員は悪くないと思い直した。「パン工場に手伝いに行き、工程や材料をまとめて説明され『さあ作って』と言われてもできるはずがない」

 刑事局課長当時、裁判員制度導入を決めた政府の司法制度改革審議会にかかわった。一般市民にも分かるよう法律用語を易しく言い換えれば審理は何とかなると考えた。だが、現実を知り、裁判長を務める模擬裁判への姿勢は変わった。有罪・無罪の判断は「クロかシロかではなく、クロかクロでないかを決めるのです」と説明する。

 86回の模擬裁判を行った東京地裁。毎回終了後、約80人の刑事裁判官全員が出席して意見交換する。裁判員への説明の仕方のまずさなど、遠慮なく批判が飛ぶ。議論は白熱し、3時間を超えることもあった。

 「これまで他の裁判官に意見したり、批判し合う機会はなかった。裁判所は明らかに活性化した」と、合田判事はしみじみ思う。

 横浜地裁の大島隆明判事(54)も「刑事裁判官は他人に説明する機会がなかった」と言う。今、裁判員の緊張をほぐす工夫に取り組む。開廷前の法廷見学や、趣味の話を交えた自己紹介。試行錯誤は続くが「思い返せば、初めて法廷に入った時、私も緊張しました」。今の心境は「期待半分、不安半分」だ。

  ◇   ◇

 昨年11月、大家に追い出された店子(たなこ)が立腹して放火した事件の模擬裁判。裁判長を務めた大阪地裁の中川博之判事(54)は、量刑を決めるに当たっての裁判員の着眼点に驚きを隠せなかった。

 量刑の判断で、中川判事は他の裁判官と同様、客観的な行為の危険性をこれまで重視してきた。しかし、「2カ月の家賃滞納で追い出すのはやり過ぎ」「家賃を2カ月も払わないなんて、けしからん」と、裁判員たちの評議での関心事は、動機につながる経緯に集まったのだ。

 実刑と執行猶予で、評決も真っ二つに割れた。中川判事は「裁判員の意見には、それまでの社会経験が反映されていた」と実感したが、判断の枠組みが変わりそうな流れに、戸惑いもある。

 大阪地裁の横田信之判事(53)は、裁判員が客観的な証拠を重く見ることに、目を見開かされた。被告が起訴内容を認めた争いのない事件でも、指紋やDNA鑑定などを調べていないと、評議で異論が出た。「一つでも調べれば、安心して判断できるようだ」

 部屋にこもって膨大な書類を読み込み、判決を書く。純粋培養とも指摘される環境で培われた裁判官の意識は今、大きく変わり始めた。