あたしはまさにレコード(Vinyl)世代。

だけれど、20数年前からレコード(Vinyl)は一切聴かなくなっていた。

「めんどくさい」「ちりちりノイズがうるさい」「もう売ってない」「スプレーや針、等々、ランニングコストがかかる」などが理由だった。

 

それでもレコード盤はそのまま部屋の片隅にずっとあって、本当に処分しようかどうか、いよいよ考えていたのだった。

 

これが一昨年の話し。そして引っ越し。

 

結局、レコード(Vinyl)は処分できず、まずはトランクルームへ。

あたしが音楽を聴きはじめたころからの、言わば、「音のアルバム」なわけだし。。。やはり、処分一歩手前まで行ったけど、出来なかった。

 

実はレコード(Vinyl)以外にも、CDが2〜3千枚はあるので、引っ越しを機に、これを全部綺麗にする事にしたのだった。

カビが生えてたりもしてたので、新しい家にそれは持ち込みたくない……ので、一枚一枚綺麗にして行った。

 

知り合いの大工に壁にCD棚を作ってもらい、綺麗に納める事にした。

壁一面〜二面CD、なかなか壮観だった。

 

CDをデータ化しちゃえばいいじゃないか、と言うアドバイスも随分もらったけど、なんだか音楽に対して冷たすぎるんじゃないだろうかって考えるようになった。それにあたしはラジオ番組をやっているので、やはりちゃんと持っているCDからリスナーに向けて音楽をかけねばと思ってもいたし。

 

さて、レコード(Vinyl)のその後。。。ついでに棚を設置して、トランク・ルームから運んできた。教え子のお巡りさんが(もちろん非番の日)に手伝ってくれたけど、この移動は骨が折れた。

 

レコード・ジャケットも綺麗に拭きとって、棚に納めて行った。それにしても、これを聴かないのはもったいない、、、って少しだけ思ったのだけど、まず、その時点でプレイヤーがなかった。

それに、レコード(Vinyl)のものはだいたいCDで買い替えてある。レコード(Vinyl)にしかない音はほんの一握り……と思い込んでいた。プレイヤーの置きが所の事もあって、二の足を踏んでいたが、、、さて、、、、。

「置き場所がない」と言うのは、音楽を生業にしている人間が言っちゃいけない言い訳だとあたしは思っている。

だから、置き場所は、なにがなんでも作らなくてはならないのだ……といってもそう簡単な事ではない(笑)。

 

と思っていたら、後輩がタイミングよく、「安田さん、オレのプレイヤー、1万円で買いませんか?」と言ってきた。

 

「オレ、最近、レコード(Vinyl)なんですよ〜。音いいですから……」

 

と言われても、実はピントは来てなかったのだ。まあ、「あったかい音がする」とかって言いたいんだろ?

だけど、「ここは二の足を踏んではいけない。買わないといけない」と思った。そう思った自分にホッとした部分もあった。

 

あたしは、音楽は出来るだけ制作者が意図した音に忠実に聴きたいって想っていたので、温かいも冷たいもどうでもよかったし、アナログと言う事に関しては、これまで随分拘り、深い深い沼にまで入ったので、もう今更とも思っていた。

 

そして、とりあえず聴く。。。

 

「!!!!!!!!」

 

あたしはぶっ飛んでしまった!

 

音質がいいとか悪いと言う単純なことではない何かがそこにはあったのだ。

 

恥ずかしながら、あたしは音楽を生業としていながら、20年間もそれを無視していた。

 

これはまさに衝撃であった。

 

多分、初めてCDプレイヤーを買った時(1984〜5年頃だったかな?)の衝撃の100倍はあるような気さえしたのだった。

 

長年、音楽観と言うのもが、歳とともに老いていってる気がしていたのだけど(それが悩みであった)、強力な魔法の強壮剤でも飲んだ様な、そんな衝撃だった!

 

つづく。。