コンサバとプログレ
- 著者: 養老 孟司
- タイトル: バカの壁
こんにちは。複雑系自営業者のコンプレクソロジストです。ごきげんいかが?
今更ですけど、やっと読みました・・・バカの壁(遅
私は流行っている音楽とか、流行っている本が嫌いです。作品そのものが嫌いというよりは「皆と同じ」というのが嫌いなんです。
「流行っている音楽なんて、くだらねぇものばっかりだ」
「流行っている本なんて、読む価値のないものばっかりだ」
私はこういう意識を強く持っている人間です。
ひねくれ者なわけです(笑
でもバカの壁って・・・・なんかタイトルが・・・
悔しいけど一発で覚えられるナイスなタイトルだ!!
タイトルとかバンド名とか、作品の顔って大事ですね。
もしこの本が「養老孟司の世界」っていうタイトルだったらあんなに売れてないわ、絶対(笑
このタイトルだと中国の古代思想の話かと思われそうだし。
でもやっぱり流行のまっただ中で読むのはなんとなく格好悪いという意識が自分の中にありました。
そんなわけで四番バッターを敬遠するような複雑な心境でスルーしていたバカの壁・・・
そろそろ流行の波も引きぎみだし読んでみるかなーと思っている矢先に、古本屋で安くなっているのを発見したので買ってみました。
読んでみてびっくりこいたのは、今たまたま私が興味を持っているソシュールとかイデアとか夜と霧とか心理学とかゆとり教育とかいう話題が沢山出てきているんですよ!
うわーなんか見透かされているようでイヤだなー!バタフライ効果?
そんなわけで興味深く一気に読むことができました。
でも結論が二元論ってのはどうなんだろうな(笑
私見ですが、著者はかなりデカルトに傾倒していると思います。
まぁいいけど。私もデカルト好きだけど。
流行というのは時とともに流れゆくものです。バカの壁にも紹介されていたヘラクレイトスの言葉
万物は流転する・・・
まさにこんな感じです。流転しまくり。
私はこういった浮かれた文化にいちいち振り回されるのが嫌いなんだと思います。
だからクラシックとか純文学とか囲碁とか、コンサバなものに傾倒します。
【コンサバ コンサバティブ】
保守的。また,その傾向にある人や保守党。
ちなみに洋服も10年くらい前から同じようなものを買って着ています。
私の彼女もあまり流行には興味がなくて、二人して自分たちのことをコンサバ系と呼んでいます。
コンサバティブの対義語はプログレッシブ。
【プログレッシブ プログレ】
進歩的。進歩主義者。
コンサバを好むからといって、私は別にプログレッシブなものが嫌いっていうわけじゃないんです。
単純に流行っているものを敬遠してしまいます。
むしろ「うわぁこれはまじで先鋭的だ」と思ったらすぐ好きになりますし。
プログレッシブな物は、次世代においてコンサバティブになる可能性があり、そういったものを見分ける目を私がある程度持っているという自負もあります。
しかし、プログレがコンサバに変化する途上で起こる現象があります。
それが流行なんじゃないかと思います。
例えば、アンガールズがデビューしたころから好きだった人は今のブームを疎ましく思っているかもしれない。
「私が最初に発見したのに!」
この気持ちすごく分かります。今アンガールズは流行ってますからね。
自分はプログレが好きだったはずなのに、それがいつのまにか流行になってしまった。なんとなく寂しいです。
そしてもうしばらくすると、アンガールズはコンサバなお笑いになるかもしれない。
先進的なものが流行し、いつのまにか時とともにそれが当たり前になっていくプロセス。
私たちの文化はそういうルートをたどってふくらみ続けているのかもしれません。
バカの壁では、この万物は流転するという言葉を取り上げ、実は流転しているのはそれを受信する人間のほうではないかと言っています。
つまり、アンガールズの芸風は変化しておらず、それを見る者の感覚が変わっているだけではないか・・というわけです。
確かにそうだ!スキャットマンだって綾小路きみまろだって、変化していない。変わったのは世間だな。
きっとこの本が言う通り、流転しているのは私たちなのでしょう。
私は、流転の波に飲み込まれることがない、コンサバなものをこよなく愛します。
しかし実は私が愛するコンサバは、一度は流行の高波に翻弄された経験のある文化であって、そういった経験を積んでいる強い文化であるからこそ魅力を感じているのかもしれないなと思うのです。