不思議系老人 | 複雑系レトリック~自営業白書~

不思議系老人

この話は先日実家に帰ったときに母に聞いたものです。主人公は私を石段の上から放り投げたあの爺ちゃんです。

以前にも描きましたが私の爺ちゃんはまともに職につかない人で、お金があるときは必ずパチンコに行くようなタイプの人物でした。
しかしギャンブルの適正が著しく欠けている爺ちゃんは30分ほどですってんてんになって、その後は家に帰ってくるしかありません。
つまりほとんどの時間を家でぼけーっとして過ごしていた幸せ者です。

その日も爺ちゃんはいつものように家でぼけーっとテレビを見ていました。

私にはが二人いますが当時上の妹が生まれて間もないころ、おそらく立って歩けるようになったかどうかだと思います。
妹は上れるところにはどこでもよじのぼり、好き放題に俳諧する赤ちゃんであったそうです。(長じた現在でもこの性質の片鱗が見え隠れします)

妹はなんとテーブルの上でうんこを垂れてしまったのです。しかもそのブレイクポイントはテレビを見ている爺ちゃんの鼻先でした。子供というのは本当にとんでもないことを平気でします。

私の母がそれを発見し、非常に驚きます。うんこに驚いたわけではなく、爺ちゃんがうんこの存在に気づいていないのです。

母    「ちょっと爺ちゃん、うんこがあるばい」
爺ちゃん 「うんこがあったとなー」
母    「鼻の先にあるとにから、気づかんかったとね」


爺ちゃん、頼みます、こんくらい気づいてください。
もともと私の爺ちゃんがボーっとしているのは知っていましたが、まさかこのレベルにまで達しているとは思ってもみませんでした。しかも妹が赤ちゃんですから、当時の爺ちゃんはまだ70代です。
お嫁に来てまだ数年しかたっていなかった私の母は本当にびっくりしたことでしょう。

これはもう「脳のスイッチがオフになっている」といわざるを得ません。電源が切れた状態で一生を過ごした爺ちゃんですが、時々電源が入ることがありました。

私が小学生のころ、ふとした流れでの話になりました。その時爺ちゃんが話してくれたの話は今でも忘れません。別になんてことはないのですが、爺ちゃんが一生懸命、ふるさとで見た蛍の群れがいかに美しいかを語るのです
なんか少年のように見えましたね。どうしようもない人ですが、そんな一面も持っていました。