「自分に嘘をつかない」というレトリック | 複雑系レトリック~自営業白書~

「自分に嘘をつかない」というレトリック

よく「自分に嘘をついてはいけない」だとか「自分に正直に」などという言葉を耳にします。しかし「それってどういう意味?」と聞かれた時に明確に答えることが出来るでしょうか。 
もちろん正解が存在するような物ではありませんので「自分なりの回答があるか・ないか」という話です。

今回は私なりの「自分に嘘をつかない」をご紹介したいと思います。

私たちは自分の思ったとおりにならないことや、目標が達成できないことがままあります。つまり「自分がイメージした自分になる」ことは難しいことだと考えています。しかし本当にそうでしょうか。 
私なりの結論を申し上げれば

人間誰でも思った通りの自分になる

これは具体的に例をあげたほうがいいでしょう。得意技のちびまる子ちゃんのエピソードをご紹介します。



まるこはある日学校の友人(としこちゃん)が編み物をしていることを知ります。赤い色のかわいいマフラーを編んでいました。まるこは即座に「やってみたい」と考えます。そして帰宅して間髪いれずに母にお願いをするのです。
まるこ「ねぇお母さん、まるこに編み物教えてよー」
しかしここで母は鈍い反応を示します。
母「どうせあんた3日坊主でやめちゃうでしょ。だめよ。毛糸がもったいない」
まるこのキャラクターを正確に認識している方ならこの発言の意味が分かるはずです。彼女の遍歴を考えれば当然のリアクションです。
しかしまるこはこういう時は非常にしつこいタチで、ねばりにねばって母の了承を取り付け早速編み物のやり方を教わります。
まるこ「大丈夫だよ。絶対最後までやるよ。まるこは将来編み物の先生になるかもしれないよ。」

母が持ち出した毛糸はラクダ色で、あまりかわいくありません。まるこは仕方なくラクダ色の毛糸でマフラーを編み始めます。
まるこ「おじいちゃん、私 おじいちゃんにマフラー編んであげるね。楽しみに待っててね。」
ともぞう「おおぉまるこ。わしゃシアワセじゃー(ホンワワワ)」

もちろんこのマフラーをともぞうへのプレゼントとした理由は毛糸の色がラクダ色だからです。つまりあまりかわいくないので爺さんに押しつけようと考えたわけです。

さて、誰もが容易に想像出来る通り、まるこは3日で作業をやめてしまいます。めんどくさくなってしまったのです。
ともぞう「まるこ、あれはまだかの。ほれ・・あれじゃ」
爺さんも容赦なく催促します。
そこでまるこはこの急場を凌ぐ方法を考えます。この行動はいつものパターンで、こちらで詳しく分析しています。

そこで考えた方法が上に掲載した写真です。つまり余った毛糸でこのような謎の物体を作成し、これをプレゼントとして状況を脱したのです。
まるこ「おじいちゃん、マフラーは出来なかったけど、かわりに心を込めてプレゼントするよ。大事にしてね。じゃあね」
ともぞう「・・・これは・・・」




この話では、まるこが最初に「編み物をしたい」と考えたところに最大のポイントがあります。私に言わせれば母に「三日坊主で終わるでしょう」と言われた時点ですでにこの結末は決定していました。
つまりまるこは心のどこかで「あ、こりゃ三日坊主で終わりそう」と自分自身感じていますが、その「感じているもの」を押さえ込み、見て見ぬふりをします。母が念をおして、5回くらい「本当に最後まで出来る?」と聞けば展開は変わっていたでしょう。
ここでいう「心のどこか」というのは心の深層部分のことを指します。
私たちは初めて会ったのに「あ、この人なんか嫌い」と思ったり、自分は全然気づいていないのに相手のことを好きになっていたりします。「ガーン、オレは彼女のことが好きだったんだー」などと思うことがあるのは心の深層の出来事を自分で認識するまでにタイムラグがあることに因っています。実はずっと前の時点からあなたは彼女のことを愛していたのですが、単純に今それに気づいただけなのです

私は心の深層での出来事は、ほぼ必ず実現すると考えています。つまり

人間誰でも思った通りの自分になる

のです。 
あなたが「社長になろう」と思っているとします。本当ですか?本当になれると本気で思いますか?心のどこかで「いや、なんかうまくいきそうにない」と思っていませんか?心の深層で思っていることを、思いこみや気負いだけでフタをしてしまっていませんか?
もしあなたが社長になるための具体的な努力をいまだに始めていないのであれば、あなたは自分に嘘をついている可能性が高いと思います。本当に出来ると思っているのであれば、何らかの行動を起こしていて当然だからです。
あなたは心の深層で感じている通り社長になれません。つまりあなたは思った通りの自分であり続けるのです
 

なんだかイジワルなことを言っているように見えますが、実は心の深層での出来事に反した行動はストレスの原因になります。自分に嘘をつくことで自分自身が不幸になりかねないのです。この状態を続けていくと「あーやりたくない」とはっきり認識する日が必ずやってきます。

自分に嘘をつかないということは、自分の心の深層での出来事を迅速に感じ取ることだと考えています。そして心の深層を充分に尊重してあげることが、ひいては自分を大切にし、自分に正直に生きていく方法ではないでしょうか。
この意味において今回のまるこの行動は3日目でそのことに気づいた点で非常に「自分に正直」であるとも言えます。つまり自分のストレス源を素早く認識し、それを(方法はさておき)取り除く能力を身につけています。

私自身のことを振り返ってみると、恋愛・失恋・転職・借金などの経験から「だましだまし生きていても最後には破綻する」ということを徐々に身につけていったと思います。しかしまだまだ発展途上で、自分の深層に素早く対応することは難しいと常々思います。