数学研究をやっていて、
これは何だか難しそう、鬱陶しそうと思うと、
無理矢理分かろうとせず、一旦退却してきた。
難しいことをやるのが研究だ、
という数学者がいる。
そりゃ、易しいことは論文にはならないが、
自分にとって易しくしていくことが、
今までの私流の研究のプロセスであった。
不思議なことに、この歳になって
色んなことが芋づる式に分かりだした。
分かってこないと、未知の分野には切り込めない。
難しいまま、難しく研究するのが流行であったりするのだが。
地球の問題も難しげな手法で
解決を試みている人達がいる。
それも目的が高尚だし
極めて熱心である。
難しい問題ほど遊び心で
ゆっくり、のんびり、
皆で力を合わせることが、
意外な解に至るように思う。
数学研究でも恐ろしい程
固定観念の虜になっているのでは?
と思わせられる事例が多い。
楽しく、遊び心でやっていると、
自縄自縛から抜け出せるのではないだろうか。
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> 田坂広志 「風の便り」 四季 第64便
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> 21世紀の「地球観」
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> かつて、ローマクラブという世界的なシンクタンクが、
> 『成長の限界』という報告書を発表しました。
> 人類が現在のような経済成長を続けていくと、
> 数十年以内に、人口爆発、食糧危機、資源枯渇、エネルギー不足、
> そして環境汚染という五つの深刻な問題に直面し、
> 「成長の限界」に達する。
> この報告書が述べたのは、その未来予測でした。
>
> この予測を行ったのは、
> 米国マサチューセッツ工科大学のメドウズ教授。
> そして、この研究において用いられたのは、
> 地球というものを「巨大な容器」とみなす、
> シミュレーション・モデルでした。
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> 一方、「現代のレオナルド・ダ・ヴィンチ」と呼ばれた
> バックミンスター・フラー。
> 彼は、『宇宙船地球号操縦マニュアル』という書を著し、
> この地球という惑星を、一つの宇宙船とみなし、
> 人類がその宇宙船を操縦していく方法を述べました。
> その思想の根底にあったのは、
> 地球というものを「精緻な機械」とみなす考えでした。
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> しかし、さらに後、
> NASAの科学者であったジェームズ・ラブロック。
> 彼は、その『地球生命圏』という著書において、
> 「ガイア思想」と呼ばれるものを提唱しました。
> 地球とは、一つの「大いなる生命体」である。
> その思想です。
>
> この地球観の進化。
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> 「巨大な容器」から「精緻な機械」へ
> 「精緻な機械」から「大いなる生命体」へ
>
> それは、そのまま、
> 我々人類の「意識の成熟」を物語っています。
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> しかし、そのことを考えるとき、
> 我々の心に、一つの問いが生まれます。
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> 我々の意識が、
> さらに成熟し、深まっていったとき、
> 地球というものは、何になっていくのか。
>
> 「大いなる生命体」を超え、
> 何になっていくのか。
>
> その問いが、生まれるのです。
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> 2003年1月16日
> 田坂広志
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