「共鳴」が起こるとき
なぜ、この世界は、
自然に、秩序や構造を生み出していくのか。
その深遠な問いに対して、
生涯をかけて答えを求め続けた科学者がいます。
自己組織化の研究でノーベル賞を受賞した、
イリヤ・プリゴジン博士です。
そのプリゴジン博士が、
自己組織化の理論について語るとき、
不思議なほど「詩的」な言葉を残しています。
平衡状態において、分子は、隣の分子しか見ていないが、
非平衡状態において、分子は、システム全体の分子を見つめている。
そして、そのとき、分子は、互いに共鳴を起こし、
システムは、自己組織化を遂げていく。
このプリゴジン博士の言葉は、
科学の世界について語っているのでしょうか。
それは、我々に、
もっと大切なことを教えてくれているように思えます。
二十世紀の最後にやってきた情報革命。
この革命は、いま、社会や市場や企業において、
「情報共有」を推し進めています。
そして、その社会全体での「情報共有」が、
多くの人々の間での「情報共鳴」を起こし、
社会の隅々での「自己組織化」を促そうとしています。
そうであるならば、
この革命の奔流に目を奪われることなく、
我々は、自らに問うべきでしょう。
我々は、システム全体を、見つめているだろうか。
その問いを、静かに問うべきでしょう。
2001年12月27日
田坂広志
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この世の中を1つの大きなシステムと見ること、その動向を俯瞰すること、より良いシステムを目指して共同参画することも重要かと思います。地道に草の根運動をすることも、最終的に情報共鳴が起こり、システムの自己組織化に重要であることは言をまたないと思います。情報操作、情報洗脳などに翻弄されないことが大きな問題になってきているように思いますので。