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 田坂広志 「風の便り」 四季  第5便
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 成功するための普遍的な方法


 プロ野球において、
 「安打製造機」の異名をとった打撃の名手、
 張本勲選手のところに、
 ある若手選手が相談に来ました。


  張本さん、
  理想のバッティング・フォームについて、
  教えて頂きたいのですが。


 この若手選手の質問に対して、
 張本選手は、こう答えました。


  理想のバッティング・フォーム?
  もし、君がそれを知りたいのならば、
  一晩中、素振りをしなさい。

  一晩中、素振りをし続けて、
  疲れ果てたときに出てくるフォーム。
  それが、君にとって一番無理のない
  理想のフォームだよ。


 このエピソードは、
 大切なことを教えてくれます。

 我々は、いつも、
 成功するための普遍的な方法があると思い、

 その理想的な方法を、
 手軽に身につけたいと願うのです。


 2001年11月29日
 
 田坂広志

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ここで「普遍的な方法」と「手軽に」という2つのキーワードがあります。数学研究において私は論文製造器ではありません。43から68歳現在まで25本書いているだけです。しかしアホでもこうやれば出来るという類の本を書きました。アホでもというよりアホでないと、というかアホ限定ですから普遍的ではありません。この種のことは最終的には銘々勝手、自分なりにということと思いますが、最低限きっちりと研究ノートをつけたら?というスタンスです。しかしアホになりきるということは以外と難しいもののようです。

手軽に、ということですが大事なことで手軽にマスター出来ることは無いと言い切っていいと思います。長年の経験上、方法論を知っていても身に付くのに長年月かかるようです。そのへんを誤解している人が多すぎ、とアホには思えます。