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 田坂広志 「風の便り」 四季  第1便
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 意味のある「ゆらぎ」


 進化の未来は予測できません。
 システムの中のわずかな「ゆらぎ」が、
 進化の未来を決定してしまうからです。


 この言葉は、ノーベル賞科学者のイリヤ・プリゴジン博士が、
 『生命論パラダイムの時代』という本の中で語ったものです。

 そして、同じ時期に、アルビン・トフラーが、
 『戦争と平和』という著書の中で、次の言葉を語っています。


 些細な原因が、巨大な結果を引き起こすこともあるのだ。
 遠い国で起きた些細な戦争が、
 予測しがたい出来事に何度もぶつかっていくうちに、
 雪だるま式に大きくなり、
 しまいには大戦争に発展することだって考えられるのである。
 世界システムは「プリゴジン的性格」を帯びつつある。


 このトフラーの「予言」は、
 テロが頻発する昨今の世界情勢を見ていると、
 深刻な響きを持って伝わってきます。

 では、このような
 小さな「ゆらぎ」が、大きな「変動」を生み出す時代に、
 我々は、その「ゆらぎ」に、
 どのように処していけばよいのでしょうか。

 そのことを考えるとき、
 かつてプリゴジン博士から伺った言葉が思い起こされます。


 「意味のあるゆらぎ」を見いだすためには、
 「直観力」が求められるのです。


 世界最高の科学者の語った、最も大切な言葉。

 それは、「直観力」でした。

 そのことを、印象深く覚えています。

 2001年11月1日
 田坂広志


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このへんとことを日本人は風が吹けば桶屋がもうかる、と言っていたのでしょうか。数学的に言えば非線形現象は初期データが少し変化すると結果が大きく変わりがちということだと思います。ゆらぎ自体はどこにでもあることですから、意味のあるゆらぎを察知することは大事なんでしょう。所詮結果はその時点で予測不可能とでもいうか、カオティックだとおもいますが、その辺まで含めて直感力は大切と思います。数学者がよく使うインスピレーションとは少し違う意味で。その手の直感力をもった人は稀で、さらにその直感を支えるその方面の基礎知識までもっているとなると超稀人かと思いますが。