(PRESIDENT Online ) 2015年4月3日(金)配信
■閑古鳥が鳴くVAIO スマホ売り場
「VAIO Phone」が3月下旬、家電量販店で販売が開始された。そこで、都内にある数軒の店を覗いてみた。どこも売り場は寂しい限りで、ほとんど手に取る人もいないといった状態だった。店員に話を聞いても、「売れるのは隣にある2万9800円の台湾メーカーのものばかり」という有様だ。
一方、アップルのiPhone売り場を見ると、多くのお客で賑わい、次々に操作している人が目立った。「アップルと対抗できるブランドはVAIO」と日本通信の三田聖二社長は豪語したが、この状況を見ると、VAIO Phoneはその足元にも及ばないといったほうがふさわしいだろう。
VAIO Phoneはアンドロイド5.0のスマートフォンで、製造・販売を日本通信が担当し、デザインをVAIOが監修した。しかし、そのスペックやデザインは台湾メーカーの安物スマホとほとんど変わらず、VAIOらしい尖ったところは全くと言っていいほどなかった。しかも、価格は台湾のものより2万円以上高い5万1000円。
そのため、VAIOファンの多くは失望し、3月12日の発表直後から“VAIOスマホ”に対する酷評が相次いだ。ネット上では「裏切られた」と大炎上する騒ぎとなったほど。これでは、売り場で見向きもされないのも当たり前だろう。
VAIO関係者によれば、「今回のスマホは日本通信の製品であり、VAIOがつくったわけではない」とのことだ。
確かに、発表会ではVAIO側の発言は少なく、日本通信側が前面に出ていた。しかし、「VAIO」という名前をつけたなら、そんな言い訳は通用しない。言い訳をするくらいなら、出さなかったほうがよかった。
■創業者の言葉をもう一度思い出せ
VAIOは昨年7月、ソニーがPC事業を分社化し、日本産業パートナーズに株式の大半を売却して独立した会社である。ソニー時代のVAIOは差別化、高付加価値路線を走っていたが、あるときから方針を転換して質より量を追うようになった。その結果、VAIOは低迷し、本体から切り離されてしまった。
そのため、新生VAIOでは、ソニー時代の反省に立ち、「自由だ。変えよう」というコンセプトの元、究極の道具としてのPCを開発し始めた。そして、2月中旬に登場したのが「VAIO Z」。同社の安曇野本社工場(長野県安曇野市)で設計から生産、品質チェックまで一貫して手がけた「安曇野FINISH」の製品で、有数の国内企業と共同開発で生み出された日本代表と言えるものだった。
こだわったのは「圧倒的なレスポンス」「1日中、どこでも完璧な仕事ができる」「ユーザーの新たな可能性に応えられる」など。スペックに一切妥協せず、機動性も両立させたそうだ。
そんなVAIOパソコンに比べて、今回のVAIOスマホは余りにもお粗末。せっかく上がりつつあったVAIOのブランドイメージも下がるのは必至だ。こんなことでVAIOは本当に輝きを取り戻せるのだろうか。
ソニーの創業者である盛田昭夫氏は、「ビジネスには3つの創造力が必要だ」と説いた。まず「元となる技術」、次に「その技術を使ってどんな製品をつくるか」、そして最後に「つくった製品の便利さをアピールして新しい市場をつくり出すこと」。今のVAIOは、もう一度この言葉を肝に銘じる必要がありそうだ。
ジャーナリスト 山田清志=文
====================================================
①これからの日本製品は高い技術力+日本人的きめ細かな創意工夫+美的な工業デザインで勝負すべき。
②ブランドを大切にすること。一度消費者を裏切ると信用回復に数倍の時間がかかること。
③目先の利益を追うと失敗する。
反省点として上のようなことなどが考えられる。
■閑古鳥が鳴くVAIO スマホ売り場
「VAIO Phone」が3月下旬、家電量販店で販売が開始された。そこで、都内にある数軒の店を覗いてみた。どこも売り場は寂しい限りで、ほとんど手に取る人もいないといった状態だった。店員に話を聞いても、「売れるのは隣にある2万9800円の台湾メーカーのものばかり」という有様だ。
一方、アップルのiPhone売り場を見ると、多くのお客で賑わい、次々に操作している人が目立った。「アップルと対抗できるブランドはVAIO」と日本通信の三田聖二社長は豪語したが、この状況を見ると、VAIO Phoneはその足元にも及ばないといったほうがふさわしいだろう。
VAIO Phoneはアンドロイド5.0のスマートフォンで、製造・販売を日本通信が担当し、デザインをVAIOが監修した。しかし、そのスペックやデザインは台湾メーカーの安物スマホとほとんど変わらず、VAIOらしい尖ったところは全くと言っていいほどなかった。しかも、価格は台湾のものより2万円以上高い5万1000円。
そのため、VAIOファンの多くは失望し、3月12日の発表直後から“VAIOスマホ”に対する酷評が相次いだ。ネット上では「裏切られた」と大炎上する騒ぎとなったほど。これでは、売り場で見向きもされないのも当たり前だろう。
VAIO関係者によれば、「今回のスマホは日本通信の製品であり、VAIOがつくったわけではない」とのことだ。
確かに、発表会ではVAIO側の発言は少なく、日本通信側が前面に出ていた。しかし、「VAIO」という名前をつけたなら、そんな言い訳は通用しない。言い訳をするくらいなら、出さなかったほうがよかった。
■創業者の言葉をもう一度思い出せ
VAIOは昨年7月、ソニーがPC事業を分社化し、日本産業パートナーズに株式の大半を売却して独立した会社である。ソニー時代のVAIOは差別化、高付加価値路線を走っていたが、あるときから方針を転換して質より量を追うようになった。その結果、VAIOは低迷し、本体から切り離されてしまった。
そのため、新生VAIOでは、ソニー時代の反省に立ち、「自由だ。変えよう」というコンセプトの元、究極の道具としてのPCを開発し始めた。そして、2月中旬に登場したのが「VAIO Z」。同社の安曇野本社工場(長野県安曇野市)で設計から生産、品質チェックまで一貫して手がけた「安曇野FINISH」の製品で、有数の国内企業と共同開発で生み出された日本代表と言えるものだった。
こだわったのは「圧倒的なレスポンス」「1日中、どこでも完璧な仕事ができる」「ユーザーの新たな可能性に応えられる」など。スペックに一切妥協せず、機動性も両立させたそうだ。
そんなVAIOパソコンに比べて、今回のVAIOスマホは余りにもお粗末。せっかく上がりつつあったVAIOのブランドイメージも下がるのは必至だ。こんなことでVAIOは本当に輝きを取り戻せるのだろうか。
ソニーの創業者である盛田昭夫氏は、「ビジネスには3つの創造力が必要だ」と説いた。まず「元となる技術」、次に「その技術を使ってどんな製品をつくるか」、そして最後に「つくった製品の便利さをアピールして新しい市場をつくり出すこと」。今のVAIOは、もう一度この言葉を肝に銘じる必要がありそうだ。
ジャーナリスト 山田清志=文
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①これからの日本製品は高い技術力+日本人的きめ細かな創意工夫+美的な工業デザインで勝負すべき。
②ブランドを大切にすること。一度消費者を裏切ると信用回復に数倍の時間がかかること。
③目先の利益を追うと失敗する。
反省点として上のようなことなどが考えられる。
(PRESIDENT Online ) 2015年4月3日(金)配信
■閑古鳥が鳴くVAIO スマホ売り場
「VAIO Phone」が3月下旬、家電量販店で販売が開始された。そこで、都内にある数軒の店を覗いてみた。どこも売り場は寂しい限りで、ほとんど手に取る人もいないといった状態だった。店員に話を聞いても、「売れるのは隣にある2万9800円の台湾メーカーのものばかり」という有様だ。
一方、アップルのiPhone売り場を見ると、多くのお客で賑わい、次々に操作している人が目立った。「アップルと対抗できるブランドはVAIO」と日本通信の三田聖二社長は豪語したが、この状況を見ると、VAIO Phoneはその足元にも及ばないといったほうがふさわしいだろう。
VAIO Phoneはアンドロイド5.0のスマートフォンで、製造・販売を日本通信が担当し、デザインをVAIOが監修した。しかし、そのスペックやデザインは台湾メーカーの安物スマホとほとんど変わらず、VAIOらしい尖ったところは全くと言っていいほどなかった。しかも、価格は台湾のものより2万円以上高い5万1000円。
そのため、VAIOファンの多くは失望し、3月12日の発表直後から“VAIOスマホ”に対する酷評が相次いだ。ネット上では「裏切られた」と大炎上する騒ぎとなったほど。これでは、売り場で見向きもされないのも当たり前だろう。
VAIO関係者によれば、「今回のスマホは日本通信の製品であり、VAIOがつくったわけではない」とのことだ。
確かに、発表会ではVAIO側の発言は少なく、日本通信側が前面に出ていた。しかし、「VAIO」という名前をつけたなら、そんな言い訳は通用しない。言い訳をするくらいなら、出さなかったほうがよかった。
■創業者の言葉をもう一度思い出せ
VAIOは昨年7月、ソニーがPC事業を分社化し、日本産業パートナーズに株式の大半を売却して独立した会社である。ソニー時代のVAIOは差別化、高付加価値路線を走っていたが、あるときから方針を転換して質より量を追うようになった。その結果、VAIOは低迷し、本体から切り離されてしまった。
そのため、新生VAIOでは、ソニー時代の反省に立ち、「自由だ。変えよう」というコンセプトの元、究極の道具としてのPCを開発し始めた。そして、2月中旬に登場したのが「VAIO Z」。同社の安曇野本社工場(長野県安曇野市)で設計から生産、品質チェックまで一貫して手がけた「安曇野FINISH」の製品で、有数の国内企業と共同開発で生み出された日本代表と言えるものだった。
こだわったのは「圧倒的なレスポンス」「1日中、どこでも完璧な仕事ができる」「ユーザーの新たな可能性に応えられる」など。スペックに一切妥協せず、機動性も両立させたそうだ。
そんなVAIOパソコンに比べて、今回のVAIOスマホは余りにもお粗末。せっかく上がりつつあったVAIOのブランドイメージも下がるのは必至だ。こんなことでVAIOは本当に輝きを取り戻せるのだろうか。
ソニーの創業者である盛田昭夫氏は、「ビジネスには3つの創造力が必要だ」と説いた。まず「元となる技術」、次に「その技術を使ってどんな製品をつくるか」、そして最後に「つくった製品の便利さをアピールして新しい市場をつくり出すこと」。今のVAIOは、もう一度この言葉を肝に銘じる必要がありそうだ。
ジャーナリスト 山田清志=文
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①これからの日本製品は高い技術力+日本人的きめ細かな創意工夫+美的な工業デザインで勝負すべき。
②ブランドを大切にすること。一度消費者を裏切ると信用回復に数倍の時間がかかること。
③目先の利益を追うと失敗する。
反省点として上のようなことなどが考えられる。
■閑古鳥が鳴くVAIO スマホ売り場
「VAIO Phone」が3月下旬、家電量販店で販売が開始された。そこで、都内にある数軒の店を覗いてみた。どこも売り場は寂しい限りで、ほとんど手に取る人もいないといった状態だった。店員に話を聞いても、「売れるのは隣にある2万9800円の台湾メーカーのものばかり」という有様だ。
一方、アップルのiPhone売り場を見ると、多くのお客で賑わい、次々に操作している人が目立った。「アップルと対抗できるブランドはVAIO」と日本通信の三田聖二社長は豪語したが、この状況を見ると、VAIO Phoneはその足元にも及ばないといったほうがふさわしいだろう。
VAIO Phoneはアンドロイド5.0のスマートフォンで、製造・販売を日本通信が担当し、デザインをVAIOが監修した。しかし、そのスペックやデザインは台湾メーカーの安物スマホとほとんど変わらず、VAIOらしい尖ったところは全くと言っていいほどなかった。しかも、価格は台湾のものより2万円以上高い5万1000円。
そのため、VAIOファンの多くは失望し、3月12日の発表直後から“VAIOスマホ”に対する酷評が相次いだ。ネット上では「裏切られた」と大炎上する騒ぎとなったほど。これでは、売り場で見向きもされないのも当たり前だろう。
VAIO関係者によれば、「今回のスマホは日本通信の製品であり、VAIOがつくったわけではない」とのことだ。
確かに、発表会ではVAIO側の発言は少なく、日本通信側が前面に出ていた。しかし、「VAIO」という名前をつけたなら、そんな言い訳は通用しない。言い訳をするくらいなら、出さなかったほうがよかった。
■創業者の言葉をもう一度思い出せ
VAIOは昨年7月、ソニーがPC事業を分社化し、日本産業パートナーズに株式の大半を売却して独立した会社である。ソニー時代のVAIOは差別化、高付加価値路線を走っていたが、あるときから方針を転換して質より量を追うようになった。その結果、VAIOは低迷し、本体から切り離されてしまった。
そのため、新生VAIOでは、ソニー時代の反省に立ち、「自由だ。変えよう」というコンセプトの元、究極の道具としてのPCを開発し始めた。そして、2月中旬に登場したのが「VAIO Z」。同社の安曇野本社工場(長野県安曇野市)で設計から生産、品質チェックまで一貫して手がけた「安曇野FINISH」の製品で、有数の国内企業と共同開発で生み出された日本代表と言えるものだった。
こだわったのは「圧倒的なレスポンス」「1日中、どこでも完璧な仕事ができる」「ユーザーの新たな可能性に応えられる」など。スペックに一切妥協せず、機動性も両立させたそうだ。
そんなVAIOパソコンに比べて、今回のVAIOスマホは余りにもお粗末。せっかく上がりつつあったVAIOのブランドイメージも下がるのは必至だ。こんなことでVAIOは本当に輝きを取り戻せるのだろうか。
ソニーの創業者である盛田昭夫氏は、「ビジネスには3つの創造力が必要だ」と説いた。まず「元となる技術」、次に「その技術を使ってどんな製品をつくるか」、そして最後に「つくった製品の便利さをアピールして新しい市場をつくり出すこと」。今のVAIOは、もう一度この言葉を肝に銘じる必要がありそうだ。
ジャーナリスト 山田清志=文
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①これからの日本製品は高い技術力+日本人的きめ細かな創意工夫+美的な工業デザインで勝負すべき。
②ブランドを大切にすること。一度消費者を裏切ると信用回復に数倍の時間がかかること。
③目先の利益を追うと失敗する。
反省点として上のようなことなどが考えられる。