散骨、樹木葬……新しい埋葬スタイル
(PRESIDENT Online ) 2014年7月21日(月)配信

■団塊の世代は死後も自然志向

いわゆる新しいスタイルの埋葬に対しては、自分の墓を継ぐ子どもがいない人、および女性のほうが関心が高く、希望する人も多い。どちらかというと男性のほうに保守的な考えを持つ人が多いようだ。さらに興味深いのは、「夫婦は同じ墓に入るべきである」という考えについての調査結果だ。「そう思わない」「どちらかといえばそう思わない」という否定派の男性は、たった6.4%だったにもかかわらず、否定派の女性は17.5%も存在するのだ。

「妻が夫と同じ墓に入りたくない理由は、2つ考えられます。一つは、本当にご主人と仲が悪くて、『せめて死んだら別居したい』という“あの世離婚”ケース。もう一つは、『ほとんど行ったこともない夫の地元の墓に埋められたくない』『夫はよくても夫の両親と同じ墓は嫌だ』と考えるケース。通常は妻より先に夫が亡くなるため、妻のほうが少し冷静に墓の問題と向き合えるのかもしれません」(第一生命経済研究所主任研究員 小谷みどり氏)

結婚したからには夫婦仲良く同じ墓に、という考えは、どうやら男性側の甘い幻想であるようだ。老後、新婚当時の力関係が逆転してしまうのか。

「新しい埋葬スタイルを選択する人は、実際にはまだ少数ですが、年々関心の高まりは感じています。私がサポートする桜葬も、初期の頃こそ『夫と同じ墓に入りたくない』『墓を継承する子どもがいない』など“ワケあって”選択する人が多かったものの、今選択する人のほとんどが普通の人。

都会に住む人のほうが特別多いということはありませんし、子どもが何人もいる夫婦も珍しくありません。私はこの流れを、墓の継承・管理や金銭面で『子どもに負担をかけたくない』という親としての配慮や自立心の表れと考えています。また、青春時代にフォークソングを歌い、自由を謳歌した団塊の世代は、自然志向の表れとして散骨や樹木葬を選ぶこともあるようです」(東洋大学ライフデザイン学部教授・NPO法人エンディングセンター代表 井上治代氏)

散骨、共同墓などの例が出てきたが、実際のところどのようなものなのか。ライフデザインの参考に、新しい埋葬スタイルの代表的なものを見ていこう。

まずは一番耳馴染みの深い“散骨”から。これは海や川に遺骨や遺灰を撒くもので、映画などでそのシーンを見たことがある人も多いだろう。「母なる海に還る、というイメージがしやすいため人気です。とはいえ、海水浴をする人の隣で撒けば嫌がられますし、山に遺灰を撒くスタイルは、近隣住民の迷惑にもなることがあります」(井上)。実際にはクルーザーなどで沖合の海へ行き、遺灰を水溶性の袋に入れて撒くことが多いようだ。

お次は共同墓。これは友人など血縁関係がない者同士、場合によってはまったく知らない赤の他人同士を一緒の墓、あるいは納骨室に埋葬する。寺が墓地の管理をする場合は“永代供養墓”と呼ばれ、檀家になる必要がない点もポイントだ。生前に申し込むケースが多いため、“墓友”などと呼ばれるサークル活動を行い、親睦を深める場合もある。

“樹木葬”は、近年静かなブームともいわれている。これは「墓地・埋葬等に関する法律(墓埋法)」にのっとって許可を得た墓地に、墓石ではなく花木を墓標として植え、その下に穴を掘って遺骨を埋めるスタイル。なかでも大きな桜の樹の下に共同で埋葬するスタイルを“桜葬”と呼ぶ。これらは自然志向とも強い結びつきがあるため、骨壷に入れて墓石の下に納める通常のスタイルとは異なり、やがては自然に還るよう、土の中に直接遺骨を埋めることが多い。「墓の継承者は必要ありませんが、申し込み時に希望しておけば家族で同じ区画に埋葬することもできます。また、墓標が花木であっても “墓参り”的なことはできるため、遺された遺族にとって感情的にも受け入れやすい埋葬スタイルでしょう。現在私がサポートする桜葬の墓地も、350人分の埋葬地が2年程度で売れてしまうほど。ただし、墓埋法で『墓地として都道府県知事から認められた区域にしか埋葬してはいけない』と定められており、家の庭やどこかの山に行って勝手に遺骨を埋めてはいけません」(井上)。

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私は散骨にしてくれと息子に言っています。