気まぐれ何でも館:(582)濱田廣介遺稿歌集 (8)
津の国の春まだあさき篠岡のひと夜のとまり忘れかねつも
おばこ踊をどるをとめのその手ぶり見ればおもほゆ母のおもかげ
松しまの凪ぎのしづけさゆゑわかぬなみだながるる年に来にしか
ももちたび波は打ちけむそのひびきとどろとどろに岩根わりにけむ
みやこべに君ぞおもほゆ花すすき風にゆれ立つ高原ゆけば
最上川暮るるつつみの草にゐるやぎほの白く夏たけにけり
木曾川の秋の瀬はやみゆく水のとはのひびきか夜半にしきけば
木曾の山むらだつ雲のきれ間よりすみゆく秋の空ぞ見えそむ
ひとの焚くけむりは青き木曾の山もやたちわたる秋のひるまも
ゑなの谷みさかのふもとめぐり来てきみが馬籠をいまとひつるも
藤村のをさなきときをあそぶてふ柿のふる木の根のきはに立つ
かくばかりともしき道をふみいさみ君はこえけむまごめ山べを
14.3.1 抱拙庵にて。
津の国の春まだあさき篠岡のひと夜のとまり忘れかねつも
おばこ踊をどるをとめのその手ぶり見ればおもほゆ母のおもかげ
松しまの凪ぎのしづけさゆゑわかぬなみだながるる年に来にしか
ももちたび波は打ちけむそのひびきとどろとどろに岩根わりにけむ
みやこべに君ぞおもほゆ花すすき風にゆれ立つ高原ゆけば
最上川暮るるつつみの草にゐるやぎほの白く夏たけにけり
木曾川の秋の瀬はやみゆく水のとはのひびきか夜半にしきけば
木曾の山むらだつ雲のきれ間よりすみゆく秋の空ぞ見えそむ
ひとの焚くけむりは青き木曾の山もやたちわたる秋のひるまも
ゑなの谷みさかのふもとめぐり来てきみが馬籠をいまとひつるも
藤村のをさなきときをあそぶてふ柿のふる木の根のきはに立つ
かくばかりともしき道をふみいさみ君はこえけむまごめ山べを
14.3.1 抱拙庵にて。