過去10度の出馬経験持つマック赤坂氏に密着 その人物像を探る
2014年2月10日(月)7時0分配信 NEWSポストセブン
都知事選候補者は実に16人を数えた。だが大メディアが「有力候補」として報じるのはそのうち数人に過ぎない。「泡沫候補者」と呼ばれる人たちは、供託金300万円を払ってまで、どうして出馬するのか。ノンフィクションライターの柳川悠二氏がその一人、マック赤坂氏の選挙に密着した。(文中敬称略)
* * *
真っ赤なオープンカーを渋谷・ハチ公前に横付けした初老の男は、頭上にミニーマウスのカチューシャをつけ、両手にタンバリンを持って現われた。拡声器からチャップリン作曲「Smile」を流し、自ら考案したスマイルダンスを踊り始める。彼が何者かを知らなければ、不審人物にしか映らないだろう。
「私がスマイル党総裁、マック赤坂である。若者諸君! 自由に生きるのは勝手である。しかし自由に生きるためには国民の義務を果たすべきだ」
マック赤坂は若者に向かって投票を呼びかけた。本名は戸並誠、名古屋出身の65歳である。
2007年港区議会議員選挙を皮切りに、東京、大阪の知事選や国政選挙に通算10度の出馬経験を持つ。選挙に度々出馬しては泡のように消えていく人物を俗に泡沫候補と呼ぶが、彼はその代表格だ。初出馬の動機、それは主宰するスマイルセラピーの普及だった。
「いわゆる売名だな。しかしサロンに来る人は選挙に出る度に減っている。いつしか純粋に日本をスマイルあふれる国にするのが使命になった。私がスーツを着て演説しても、誰も耳を傾けてはくれないだろ。いくら笑われても気にならない。外見だけで人を判断するような人間は相手ではない」
確かにマックの周りは常に笑顔があふれている。ただし、苦笑であり、嘲笑、冷笑だ。もしこんな男が自分の父親だったら──ついそんなことを考えてしまう。
寿司屋で遅い昼食を共にした日、これから演説を行なうというのに、彼は芋焼酎を4杯もおかわりした。選挙中に飲酒する候補者を見た有権者が何を思おうが彼には関係ない。
飲み過ぎたせいか、あるいは加齢によるものなのか、マックはやたらとトイレが近かった。平日の街頭演説はひとりで行なうため、「盗むヤツがいるから荷物を見てもらっていいか」と頼まれることしばし。コスプレに使う殿様のカツラやエンジェルのカチューシャを盗む輩がいるとも思えない。
ちなみに都知事選に出馬するには供託金300万円(有効投票総数の10分の1を得られなければ没収)に加え、街頭で配るビラやポスターの印刷代が必要だ。これまで投じた3000万円以上の選挙費用を、彼はどうやって捻出してきたのか。
京都大学卒業後、伊藤忠商事に25年勤務したマックは、1997年にレアアースを中国から輸入する貿易会社を起業した。2009年には年商50億を誇るまでに成長させたという。
年収は約1億。赤坂にある自宅の他に、ロサンゼルス、ローザンヌにも別荘があると彼はうそぶく。ところが悠々自適の生活も、最近では翳りが見え始めたという。中国との関係悪化が影響し、会長を務める貿易会社の業績まで悪化。現在は3億円もの不良在庫を抱えた状態にある。
「300万円の出費も今のオレには痛い。だから去年、一度は“政治家引退”を発表した」
しかし、結局、戻ってきた。選挙戦はマックにとって人生の一大ステージなのだろう。街頭演説で嘲笑を浴びることも、快感なのだ。
それを痛感したのは、選挙戦最後の日曜日に、マックが細川護熙陣営の演説に乱入した時だった。
「殿中でござる! 殿中でござる!」
拡声器でそう叫びながら、SPに制止されているマックは、恍惚の表情を浮かべ、権力に立ち向かおうとする自分に酔いしれていた。
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京大は変なのが多いですな。
2014年2月10日(月)7時0分配信 NEWSポストセブン
都知事選候補者は実に16人を数えた。だが大メディアが「有力候補」として報じるのはそのうち数人に過ぎない。「泡沫候補者」と呼ばれる人たちは、供託金300万円を払ってまで、どうして出馬するのか。ノンフィクションライターの柳川悠二氏がその一人、マック赤坂氏の選挙に密着した。(文中敬称略)
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真っ赤なオープンカーを渋谷・ハチ公前に横付けした初老の男は、頭上にミニーマウスのカチューシャをつけ、両手にタンバリンを持って現われた。拡声器からチャップリン作曲「Smile」を流し、自ら考案したスマイルダンスを踊り始める。彼が何者かを知らなければ、不審人物にしか映らないだろう。
「私がスマイル党総裁、マック赤坂である。若者諸君! 自由に生きるのは勝手である。しかし自由に生きるためには国民の義務を果たすべきだ」
マック赤坂は若者に向かって投票を呼びかけた。本名は戸並誠、名古屋出身の65歳である。
2007年港区議会議員選挙を皮切りに、東京、大阪の知事選や国政選挙に通算10度の出馬経験を持つ。選挙に度々出馬しては泡のように消えていく人物を俗に泡沫候補と呼ぶが、彼はその代表格だ。初出馬の動機、それは主宰するスマイルセラピーの普及だった。
「いわゆる売名だな。しかしサロンに来る人は選挙に出る度に減っている。いつしか純粋に日本をスマイルあふれる国にするのが使命になった。私がスーツを着て演説しても、誰も耳を傾けてはくれないだろ。いくら笑われても気にならない。外見だけで人を判断するような人間は相手ではない」
確かにマックの周りは常に笑顔があふれている。ただし、苦笑であり、嘲笑、冷笑だ。もしこんな男が自分の父親だったら──ついそんなことを考えてしまう。
寿司屋で遅い昼食を共にした日、これから演説を行なうというのに、彼は芋焼酎を4杯もおかわりした。選挙中に飲酒する候補者を見た有権者が何を思おうが彼には関係ない。
飲み過ぎたせいか、あるいは加齢によるものなのか、マックはやたらとトイレが近かった。平日の街頭演説はひとりで行なうため、「盗むヤツがいるから荷物を見てもらっていいか」と頼まれることしばし。コスプレに使う殿様のカツラやエンジェルのカチューシャを盗む輩がいるとも思えない。
ちなみに都知事選に出馬するには供託金300万円(有効投票総数の10分の1を得られなければ没収)に加え、街頭で配るビラやポスターの印刷代が必要だ。これまで投じた3000万円以上の選挙費用を、彼はどうやって捻出してきたのか。
京都大学卒業後、伊藤忠商事に25年勤務したマックは、1997年にレアアースを中国から輸入する貿易会社を起業した。2009年には年商50億を誇るまでに成長させたという。
年収は約1億。赤坂にある自宅の他に、ロサンゼルス、ローザンヌにも別荘があると彼はうそぶく。ところが悠々自適の生活も、最近では翳りが見え始めたという。中国との関係悪化が影響し、会長を務める貿易会社の業績まで悪化。現在は3億円もの不良在庫を抱えた状態にある。
「300万円の出費も今のオレには痛い。だから去年、一度は“政治家引退”を発表した」
しかし、結局、戻ってきた。選挙戦はマックにとって人生の一大ステージなのだろう。街頭演説で嘲笑を浴びることも、快感なのだ。
それを痛感したのは、選挙戦最後の日曜日に、マックが細川護熙陣営の演説に乱入した時だった。
「殿中でござる! 殿中でござる!」
拡声器でそう叫びながら、SPに制止されているマックは、恍惚の表情を浮かべ、権力に立ち向かおうとする自分に酔いしれていた。
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京大は変なのが多いですな。