バブル超の下落ペース 海外勢手じまいでアベノミクス崩壊

2014年1月31日(金)10時26分配信 日刊ゲンダイ


 焼け石に水だ。東京市場は29日、5営業日ぶりに反発した。が、30日は寄り付きからまた反落、下降トレンドは変わらない。日本株の現状は、バブル崩壊を上回るスピードで下落している。


 29日の日経平均終値は403円高の1万5383円。トルコの利上げ幅が予想を大きく上回り、「新興国通貨に対する警戒感がいったん沈静化」(銀行系証券)と受け止められた。だが、海外勢は今年に入って2週連続で日本株を売り越している。海外投資家が手じまいを始めたのは明らかだ。


 RFSマネジメントのチーフエコノミスト、田代秀敏氏が言う。

「アベノミクスの魔法が解けてしまったかのような下落です。昨年の大納会の日経平均株価を100とすると、29日の終値は94.43。これをバブル崩壊が始まった1990年と比較してみると、大発会の16日後は同じく1月29日で、1989年の大納会を100としたときに、終値は95.52となる。今の株価の落ち込みはバブル崩壊のペースを上回っているわけです」


■日銀の株価も低迷


 日本売りのシグナルは、日銀の株価にもあらわれている。


「日銀の株を保有しても、配当は付かないし、経営権も奪えません。純粋に株価の動きだけを狙う株式です。ただ、株価の意味するところは、日銀の政策に対する信頼のバロメーター。12年11月14日に野田首相(当時)が解散を口にしたときの3万500円から、13年3月19日の9万900円までずっと上昇してきましたが、29日は5万4000円です。要するに市場のプロ筋は、日銀の金融政策を疑問視しているということです」(田代秀敏氏)


 日銀の資産は、ほとんどが日本国債である。日銀の株価の下落は、国債への信頼がダウンしている証しでもあるのだ。


 市場のリアリストはアベノミクスに惑わされない。口八丁手八丁のペテンを信じているのは、個人投資家ぐらいのものである。

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世界的な金融崩壊の前触れか?