気まぐれ何でも館:(576)濱田廣介遺稿歌集 (2)
あひよるも手に手はとらじさにあれどきみがうなじはかなしかりけり
遠くゐてたへがたき日はなほとほく沖の小島にゆかむとぞおもふ
朝の飯を起きてわが焚く昼間頃こころよろしも立つ秋風は
春深みふか田のまうへまふとびは飛びさからへり風のつよさに
さからひて風にまふとびいつしかにながれてとほくなりにけるかも
山青く野もまた青き川土手にま白くやぎはたそがれてゆく
かざ折れの梅の古根のひこばえてあをき実つけぬことしひと粒
すかんぽの花はみな穂に立ちにけり小田のさ苗は植ゑさだまりて
秋山をわが恋い来ればさくら木は咲く花のごともろ葉そめ立つ
つゑつきてここにいで来よふるさとのわがゆく道に七十路の母
14.1.18 抱拙庵にて。