里山のほったらかしにされた森林がまず資本である。製材のおがくずはバイオマス発電に使える。その発電力は原発がいらなくなるかどうかは知らないが、公共施設などをまかなうのには十分であり、売電もやれる。何よりなんかあったときの保険になるし、お金が地域の外に出て行くのを少なくできる。ソーラーシステムはその時その時の太陽光のエネルギーの電気への変換であるが、木材はなが~い間の太陽光のエネルギーを光合成で蓄積したものである。どちらが割に合うかは自明であろう。

枯れ枝や邪魔な枝を4~5本でも取ってくれば、美味しいご飯が炊けたりストーブになる。廃材などはチップにして小さい塊にしてペレットというものに出来る。これでオーストリアは街全体の給湯システムをはりめぐらしている。間伐材などは組み合わせて重ね合わせた集成材とすれば鉄筋コンクリートより強い物が出来、火にも強い(鉄筋は火に弱くてぐにゃっとなってしまう)のでオーストリアでは6~7階の高層建築に使われ、断熱効果が大で、見た目にも暖かみがある。

もう一つの資本は空き屋と耕作放棄田がいっぱいあること。農業の素人が行ってもおばあちゃん、おじいちゃんが親切にノウハウを教えてくれ、余った農作物をくれたりなんかする。草ボウボウの休耕田で牛の放牧をすると色んな草を季節や場所によって食べるので、味は日によって違うこともあるが、味は濃く、牛のストレスも無く、美味しいらしい。

人と人との絆が深まり、ガハハな世界になる。競争はないが、工夫をしないといけないが、この頃のトレンドらしく、田舎でその方面の先達がいるから心配はいらない。とにかくガハハでいける。

私は会社で8年半プログラマーをやっていて、脱サラして数学の研究をしているのだが、6年程常勤講師、それ以後非常勤講師などしてきて、色んな経験をした部類と思うが、今は年金が入り、非常勤も減らして、数学の里山でガハハな人生を送っています。

里山資本主義でやると、お金があんまりいらないんですね。一種の物物心心交換ですからね。心配な人は年金と退職金があればゆうことなしですが、この本を読むとそんなの待ってられない気がしますよ、ほんとに。

里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く (角川oneテーマ21)