気まぐれ何でも館:(570)至福の旅びと(篠弘歌集)(8)
下半身棒状なして立ちつくす友の言葉をわがうべなはむ
折衝を夕べにひかへファックスを待ちて木彫のペン皿ぬぐふ
あらかじめ酒量を語り役職のなき身となりて酔ひやすき友
報告に類型ありて実務より離(か)れゆくわれの日々寂しかり
口ごもり途切るる人に終りまで報告を聴きもの言はむとす
決まりゐし企画見直す応酬をまとめむとする声は踊らず
きらはれし労務担当黒びかるゴルフ浸りの顔となりゐつ
黄の箋紙はさみて資料積み上ぐる昂りてくるわれを喚(よ)びつつ
目薬の溢るるしづく掌(て)に拭ふさびしきさまを二度くりかへす
縄文の手斧(てをの)をデスクに置かむとししみみに石の肌が匂ひぬ
マイヨールの女神淫らに脚上ぐるチュイルリ公園春に入るべし
13.12.8 抱拙庵にて。
下半身棒状なして立ちつくす友の言葉をわがうべなはむ
折衝を夕べにひかへファックスを待ちて木彫のペン皿ぬぐふ
あらかじめ酒量を語り役職のなき身となりて酔ひやすき友
報告に類型ありて実務より離(か)れゆくわれの日々寂しかり
口ごもり途切るる人に終りまで報告を聴きもの言はむとす
決まりゐし企画見直す応酬をまとめむとする声は踊らず
きらはれし労務担当黒びかるゴルフ浸りの顔となりゐつ
黄の箋紙はさみて資料積み上ぐる昂りてくるわれを喚(よ)びつつ
目薬の溢るるしづく掌(て)に拭ふさびしきさまを二度くりかへす
縄文の手斧(てをの)をデスクに置かむとししみみに石の肌が匂ひぬ
マイヨールの女神淫らに脚上ぐるチュイルリ公園春に入るべし
13.12.8 抱拙庵にて。