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 田坂広志 「風の便り」 特選  第114便
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 「一瞬」と「一瞬」


 ある映画のラストシーン。
 65歳で人生の終りを迎えた主人公が、
 家族や友人たちを前に、呟きます。


  この人生も、振り返れば、一瞬であった。


 人生のはかなさに対する、こうした感懐は、
 映画だけでなく、文学や手記においても、
 多くの人々によって語られています。

 我々の人生は、長くとも、100年。
 地球の歴史は46億年。
 宇宙の歴史は137億年。

 その悠久の時間から見るとき、
 文字通り、それは、
 「一瞬」と呼ぶべき時間。

 しかし、そのことを思うとき、
 我々は、一つの真実に気がつきます。


  この悠久の時間の流れの中で、そして、
  この壮大な宇宙の片隅で、
  一人の人間が、一人の人間と出会うとき、

  それは、その「一瞬」と「一瞬」が重なる

  「奇跡の一瞬」。

 そのことに気がつくのです。

 そして、そのとき、我々は、
 初めて、知るのです。


  「縁」


 その言葉の、
 本当の意味を、知るのです。

 2003年7月21日
 田坂広志


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大切な一瞬を充実したものにしたいですね。

マンデルブローの自伝の終わりの方を読みながら、ちょっとしたグラフィック問題を思いつきました。