【中国ブログ】異常な入試不正騒ぎは、劣悪な中国社会の縮図だ

2013年6月11日(火)13時21分配信 サーチナ

 中国では7日と8日に全国統一大学入試が行われた。試験でのカンニングが常態化し、カンニング用品のハイテク化が進んでいることが日本国内でもここ数日、ニュースとして報じられた。

 8日には湖北省の試験場ではカンニング問題が原因の1つとみられる「保護者らによる試験監督囲い込み事件」が発生した。中国国内には、異常とも思える大学入試の光景を、中国社会の現状の縮図と捉える声もあるようだ。

 新浪博客(ブログ)のアカウント名「河流天空2008」氏は11日、自身のブログ上に「入試の不正について思うこと」というタイトルの文章を掲載した。

 同氏は、不正をした学生の保護者が「みんなやってるのにわが子だけ不公平だ」などと激怒する動画を見て非常に驚いたとしたうえで、大学入試は「一般市民にとって社会的地位を変えられる可能性のある最後の聖域」であり、不正の管理を厳しくすることは当然である主張した。

 その一方で、保護者の理不尽な激高ぶりが中国社会において「いまやイレギュラーな行動とは言えない状態になってしまった」とした。そして、不道徳、不誠実、不条理や、年齢、経歴、論文、業績のウソ、ニセモノ商品に満ち溢れた社会で、教育や入試だけが潔白を保つというのは難しいと論じた。

 河流天空2008氏の主張で、特に後半の部分は至極真っ当なものであり、反論する余地はないように思える。しかし、それが真っ当にならないのが今の中国社会なのだ。不正行為とその取り締まりは「いたちごっこ」であり、管理ばかり厳しくしても不正は永遠に消えない。また、大学入試が社会的地位向上の唯一のチャンスとの認識が、大学入試を手段無視の泥仕合とさせている点も大きな問題だ。不正行為が横行する原因を挙げようとすれば、きりがない。

 ブログの文章は「このような社会風潮は非常に劣悪であり、根本から治さなければならない」と結んだ。いっそのこと不正行為を歓迎してそのレベルの高さを競うような大学入試のスタイルに変えたほうが楽ではないかという暴論を吐きたくなるほど、「根本」は深い。

 大学入試の不正が下火になり、話題にのぼらなくなったとき、きっと中国社会全体も何らかの変化を遂げていることだろう。ただ、中国政府や中国社会に本気で変化を目指す意思がどれほどあるのか、そして本当に変化を実現できるのかは、全く分からない。(編集担当:近間由保)

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万引きを指摘された親が逆ギレする日本とどっこい良い勝負ですね。