格差と貧困、特にワーキングプアーやホームレスがどんどん増えていく日本はアメリカ型の1%と99%に極端に言えば分かれている社会に近づいている。日本で以前のように9割が中流と考えていた頃と比べると、何とかやっている人でも先行きの不安をかかえて息が抜けない状態にある。社会に鬱積したストレスは、ちょっとつまずいたりすると、容赦なく襲いかかってくる。自分が将来とも幸福で安定した人生をこなしていける自信を持っている人の割合は非常に少ないのではないか。全てを社会の責任には出来ないかもしれないが、こういう社会を変えて、落ち着いてやりたいことを仕事としてやる、高収入は求めない、分かち合いの社会を私は望む。

それが出来ているのがデンマークのようだ。収入の多い人は税金が多いから格差みたいなものは無いといってよい。収入の多い人もそれで満足している。もしも、というときの不安はないし、能力に恵まれた者は、そうでない者を養う義務感みたいなものが教育によって培われている。誰かさんのように、そんなん損や、とは考えないようである。そして皆が自分の能力に合わせて、自分のやりたいことを求めて、いくらでもやり直しのきく教育制度になっている。一頃言われた自殺者の数も非常に少なくなっている。まあ、やりたいことをやっていて自殺する人は少ないと思うが、高齢者にも行き届いた介護がなされているのであろう。

民主主義とはこういうもので、直接でも間接でも自由な多数決で物事を決めるようにしたからといって、すぐに実現できるものではない。民主主義を実現していく国民全体のものの考え方が大事で、試行錯誤の中で少数意見にも学び、政府任せではなく自分たちでより良い世界を作っていくというものの考え方を学校と家庭が教育していくより他に道はない。

日本人に合った民主主義というものもあるであろうが、それには教育が大切なのだが、それによって人間が入れ替わるくらいの年月がかかるようにも思うし、日本人なら案外早く実現可能かもしれないかもしれないという気もするのである。

私は今までこういうモデルになる国の存在を知らなかったのであるが、これで大分考え易くなった。微力を尽くしたいと思う。